研究課題/領域番号 |
20K00919
|
研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
戸川 点 拓殖大学, 国際学部, 教授 (50781225)
|
研究分担者 |
小嶋 茂稔 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20312720)
岩井 淳 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (70201944)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 歴史教育 / 歴史学 / 歴史総合 / 日本史探究 / 世界史探究 |
研究実績の概要 |
1.2020年度は①教員免許法を調査し「大くくり化」「複合科目」の考え方を明らかにする、②日本史、世界史における一般的包括的内容について精選する、③大学における歴史教育や高校における歴史教育の現状や教員養成に関する要望などの調査を課題とした。それらの各項目について担当者ごとに調査を進めた。 2.8月21日に教員免許法に関する研究会を行い、小嶋茂稔氏が「高等学校における歴史系科目を担当する教員養成の今後についての卑見ー教員免許法制の仕組みと教員養成の「考え方」をめぐってー」と題する報告を行った。 3.9月26~27日に静岡県掛川市で高校教員も招いて研究会合宿を行った。高校教員の立場から松井秀明氏が「新たな歴史系教職科目、その断片的構想」、吉川牧人氏が「高校現場から見た松井報告に対するコメント」と題する報告を行い、岩井淳氏が「大学における複合科目の実践と『地域社会と歴史』」と題する報告を行った。また岩井報告が地域教材として取り上げた大日本報徳社の実地調査も行った。 4.3月7日~11日にかけて岩井淳氏による琉球大学における歴史教育の状況を中心とする沖縄調査を行った。コロナ禍のため調査は岩井氏単独で行ったが事前に研究会を持ち調査項目を整理し、「琉球大学にある3つの学部でそれぞれどのように教員養成がおこなわれているのか」「国際地域創造学部などで歴史学の基本的技能をどのように教育しているのか」「琉球王国など沖縄の地域の歴史が教員養成課程の中でどのように位置づけられているのか」などを中心に聞き取り調査を行うこととした。調査終了後、調査結果を共有した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.本研究では①教員免許法を調査し「大くくり化」「複合科目」の考え方を明らかにする、②日本史、世界史における一般的包括的内容について精選する、③大学における歴史教育や高校における歴史教育の現状や教員養成に関する要望などの調査を課題としている。それらの各項目についての担当者ごとの調査はおおむね計画通りに進んでいるのだが、コロナ禍のため当初考えていた、それら研究成果をもとにするシンポジウムや研究会などは開催できていない。 2.また③の大学における歴史教育や高校における歴史教育の調査については静岡と沖縄で実施はできたものの、コロナ禍のため自粛せざるを得ない部分もあり十分には実施できなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
1.本研究の中心となる①教員免許法を調査し「大くくり化」「複合科目」の考え方を明らかにする、②日本史、世界史における一般的包括的内容について精選する、③大学における歴史教育や高校における歴史教育の現状や教員養成に関する要望などの調査のうち、①の教員免許法の調査と②の日本史、世界史における一般的包括的内容の精選については2021年度も担当者ごとの調査を進めていく。 2.2020年度はコロナ禍の影響で研究推進にやや遅れが出てしまった。2021度はその遅れを取り戻すべくオンライン研究会を頻繁に開催し、具体的な解明を続けていく。 2.③の各地の大学や高校における教員養成や歴史教育の実態調査はコロナ禍の影響を大きく受けるため、計画を柔軟に変更しながら可能な範囲で行っていく予定である。当初の予定では本年度は台湾国家教育研究院を訪問し台湾で行われている「自国史」・「東アジア史」・「世界史」の歴史教育の実態調査を行い、日本における「歴史総合」・「日本史探究」・「世界史探究」の在り方と比較研究する予定であったが、現状では延期せざるを得ない。その分、国内調査に切り替えて可能な限り積極的に調査研究を進めていきたい。 3.今年度は「歴史総合」の教科書が公表される(実際に入手できるのは来年度以降)。そのため今年度から来年度にかけて「歴史総合」の教科書の分析・研究を進める。それらの分析をもとに「複合科目」や教科教育法の内容への反映について検討する。 4.本年度7月31日、8月1日に開催予定の高大連携歴史教育研究会大会において本研究グループが中心となり第5部会のパネル・シンポジウムの企画・運営を行い研究成果の一端を公表していく。またそのシンポジウムの場を活用し、より広く各大学や高校における状況について情報を収集し、聞き取り調査を実施する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため計画していたk研究会や調査・研究旅行などが実施できず、それに伴い関連図書などの購入も控えたため残金が出るに至った。次年度助成金と合わせ、コロナ禍の情勢を見つつとなるが国内を中心に調査・研究旅行などを実施し、その準備・計画、まとめに関連する物品の購入などを進めていきたい。
|