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2021 年度 実施状況報告書

東アジアの宮廷工芸に関する物質文化研究 ―相対的文化史観に基づいてー

研究課題

研究課題/領域番号 20K00930
研究機関独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館

研究代表者

猪熊 兼樹  独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 室長 (30416557)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード東アジア / 宮廷 / 物質文化 / 工芸 / 琉球
研究実績の概要

本研究の目的は、前近代の東アジア(日本・中国・韓国・ベトナム・琉球)の宮廷工芸
(宮殿・調度・服飾)を対象とし、東アジアの実情に即した物質文化研究の体系を構築することにある。本研究の学術的な特色は、東アジア文化圏を中国大陸・日本列島・朝鮮半島・越南地域・琉球諸島として設定することにある。本研究の独創的な点は、東アジアの宮廷は外廷と内廷という空間から構成されており、その外廷と内廷を形成する宮廷工芸に着目し、各宮廷の共通規格と相異特色を相対的に検証することにある。その研究方法は、東アジアの宮廷工芸について実物資料・文献史料・生活習俗の観点から調査し、諸調査の総合に基づく検証を行う。本研究の成果は、東アジアの諸文化の相異特色について合理的に理解し、今日的課題である多文化共生に資する歴史研究となることを念頭におく。
2021年度はコロナ禍での海外渡航制限を受けて、文献による調査が中心となったが、日本宮廷と琉球宮廷に限って現地調査を行ない、中国宮廷についてはリモートやメールを利用して調査を行なった。日本宮廷については、東京国立博物館および平安神宮(京都)が所蔵する鳳輦に関する調査を行なった。琉球宮廷については、沖縄県立博物館美術館・那覇市歴史博物館・浦添市美術館・徳川美術館(名古屋)・東福寺(京都)などが所蔵する工芸品に関する調査を行なった。中国宮廷については、北京故宮博物院が所蔵する工芸品に関する調査を行なった。
琉球宮廷に関する研究成果は、東京国立博物館で開催される特別展「琉球」(2022年5月3日~6月26日)として展示・図録・講演などの形で公表される予定である。その他の研究成果についても、2022年度以降の展覧会・出版物などの形で公表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定では、2020年度から2021年度の間に、中国・韓国・ベトナムの現地調査を行なう予定であったが、コロナ禍による海外渡航制限を受けて、未だ行なうことができていない。しかしながら、現状でもできる調査を先行して着手するなど、予定を調整して、研究の進行に大過が生じないように努めている。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策については、日本・琉球の宮廷に関しては、実物資料・文献史料・生活習俗の観点からの調査を継続する。一方、中国・韓国・ベトナムの宮廷に関しては、コロナ禍による海外渡航制限の動向次第では、実物資料・生活習俗の調査は国内で可能な方法を検討することになる。また2022年度は、本研究の最終年度に当たるので、各調査を総合することも念頭においた研究を行なう予定である。

次年度使用額が生じた理由

2021年度はコロナ禍による海外渡航制限のために海外での現地調査を見送った。これらの調査は2022年度の海外渡航制限の動向を見極めながら行なう予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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