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2022 年度 実績報告書

将軍徳川綱吉による山城国善峰寺・金蔵寺再興と地域社会

研究課題

研究課題/領域番号 20K00949
研究機関京都女子大学

研究代表者

母利 美和  京都女子大学, 文学部, 教授 (60367951)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード善峯寺 / 桂昌院 / 徳川綱吉 / 寺院復興 / 地域社会 / 開帳 / 本庄宗資 / 岡村道仙
研究実績の概要

本研究の目的は、徳川綱吉による西山善峯寺・西岩倉金蔵寺の復興と地域社会の有り様を、両寺所蔵文書の調査により解明することにあった。しかし調査過程で金蔵寺に調査実施を依頼したが、保存蔵の事情で実施には至らなかった。そのため善峯寺所蔵文書を中心とすることになったが、事前調査で把握していた4000点をはるかに超え、最終年度では調査中に発見された文書約2800点を中心に調査を進め、約6800点の所蔵文書の全体像を解明できた。
善峯寺文書は、本調査以前に宗教系大学・自治体などの調査が入っており、とくに室町から戦国期の古文書数十点や、一部の桂昌院関係文書が研究・展示に利用されてき。しかし、いずれも全容把握には至っていない。そのため本調査では、文書が保管されてきた「広間前土蔵」「本堂脇蔵」「寺宝館収蔵庫」ごとに、収納容器ごとに台帳番号を付して全容調査を実施した。
その結果、元禄期の善峯寺復興に関係する桂昌院をはじめ本庄家、本庄家との関係から仙台藩御典医となった岡村道仙との往復書簡が約3000点と全体の4割を占めること、戦国末期から近世にわたる寺務運営を物語る寺領(坊領)田畑山林関係文書、本山との関係文書、元禄復興期以降記録された寺内の七坊による輪番日記、法会のほか年中儀礼の執行・財政関係文書、寺領村の領知・人別関係文書、十輪寺・玄松寺などの末寺関係文書、堂舎維持のための修復勧進・開帳関係文書など、戦国期から明治初期に至る豊富な史料群であることが確認できた。
これらの史料の本格的分析はこれからの課題であるが、現時点において善峯寺の復興は、地域社会や本末関係のバランス、本庄家との関係継続、その後の堂舎維持にも広範囲に影響を及ぼしていたことが明らかとなっている。研究期間中に全文書目録の刊行には至らなかったが、調査研究を継続し、令和6年度には成果報告として全資料目録を刊行する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 史料紹介「善峯寺実相坊賢良日次ー元禄五年十一月から同七年十二月ー」2023

    • 著者名/発表者名
      母利美和
    • 雑誌名

      京都女子大学大学院文学研究科研究紀要 史学編

      巻: 第22号 ページ: 93ー166

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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