本研究では善峯寺所蔵文書6800点の全容把握を中心にすすめ、約6800点の全体像を解明した。その結果、元禄~宝永期の善峯寺復興に関係する桂昌院をはじめ本庄家、本庄家との関係から仙台藩御典医となった岡村道仙との往復書簡が約3000点と全体の4割を占めること、戦国末期から近世にわたる寺務運営を物語る寺領(坊領)田畑山林関係文書、本山との関係文書、元禄復興期以降記録された寺内の七坊による輪番日記、法会のほか年中儀礼の執行・財政関係文書、寺領村の領知・人別関係文書、十輪寺・玄松寺などの末寺関係文書、堂舎維持のための修復勧進・開帳関係文書など、戦国期から明治初期に至る豊富な史料群であることが確認できた。
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