研究課題/領域番号 |
20K00952
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 北海道博物館 |
研究代表者 |
小川 正人 北海道博物館, 研究部, アイヌ民族文化研究センター長 (10761629)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 近代アイヌ史 / アイヌ教育史 / 近代北海道史 / 先住民族の近現代史 / 社会への参画 |
研究成果の概要 |
この研究では、近代日本におけるアイヌ民族による社会参画を目指す取り組みの歴史を調査し、その実態と特徴を分析することを目的とし、特に、日本社会における公教育を受ける権利を求める活動や、より高い学歴を目指す活動、自分たちの生活基盤を確立するための土地の確保を目指す活動、地域の社会基盤の充実を目指す活動などに着目して、これらの実態を明らかにした。様々な事例を通して、地域の社会基盤の整備(学校の設置など)などの活動はアイヌ民族の相当の努力によって一定の実現をみる一方で、広い土地の確保や政治的権利(例えば道政や国政への参画など)については実現が極めて困難な実態がある等の歴史的な特徴が明らかになった。
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自由記述の分野 |
近代アイヌ史、アイヌ教育史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
・近現代日本におけるアイヌ民族の社会への参画を目指す意志や活動の実態について多くの具体的な事例を明らかにした。 ・「その意志や活動が生じるに至った歴史的背景」「周囲のアイヌ民族や、マジョリティの人々、行政の対応」「その意志や活動がどのように実現したか/しなかったか」の諸点に着目して実態を分析することにより、厳しい歴史的条件のもとでのアイヌ民族の意志や活動の実態と、それらが置かれていた社会的環境(アイヌ民族を包囲する多数者の意識や行政の態様)を明らかにした。 ・特に、1920~30年代以降における地域の生活基盤の確保を目指す活動や、自分たちで伝統文化の客観化を目指す活動などについて新たな知見を得た。
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