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2022 年度 実施状況報告書

史資料原本調査を中心とした中世文書群の伝来に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K00953
研究機関新潟県立歴史博物館

研究代表者

前嶋 敏  新潟県立歴史博物館, その他部局等, 研究員 (30373476)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード古文書群 / 伝来 / 越後
研究実績の概要

各地域に伝わる中世文書あるいは文書群にモノとしての歴史があり、それ自体が当該文書の内容と不可分の関係にある場合は少なくない。本研究はその点に着目し、中世文書群について、近代以後も含めた通時代的な伝来状況の検討を通じて、文書群自体の構造とその性格を明らかにすることを目的とする。またそのための題材として、中世では越後に拠点をおいて活動していた武家伝来の文書群を中心的にとりあげる。
令和4年度は、戦国期上杉家中に関する伝来文書のうち、コロナウイルス感染拡大状況のためにこれまで予定を延期していた北海道所在文書、また山形県所在文書等の調査を実施した。また、並行して文献調査ならびに新潟県内・新潟近県所在文書に関する調査を行った。
北海道所在文書については、すべて一紙文書で封筒詰めされ、表具や保管箱等はみられなかったため、近世・近現代以後における形態変更などといった情報についての検討はできなかったが、近世以後の由緒形成と文書群全体の構成、また中世文書写本の作成との関わりなどについて考察を加えた。山形県所在文書については、複数の軸装になった古文書について、表具や箱の共通性などから文書群の構成について検討した。
文献調査については、大正六年に編纂された『越佐史料』の記述についての検討を継続した。令和3年度までは新潟県立歴史博物館所蔵ならびに寄託・保管文書を中心にしていたが、令和4年度はさらに山形県所在資料についても対象を広げて比較検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では、とくに中世において越後に拠点をおいて活動していた武家伝来の文書群を中心的にとりあげるとしていたため、2019年以後のコロナウイルス感染拡大状況を受けて、県外、とくに遠方への調査が難しくなっていた。2022年度は少しずつ状況が収まりを見せつつあるとみられることから、とくに公共機関等を中心に、予定していた調査を再開し、状況は改善しつつある。ただし、状況を注視される個人の方もおられ、当初予定まで回復するには至っていない。令和5年度は最終年度となるが、さらに状況が緩和されるとみられるので、そのことを踏まえて研究を進展させていくこととしたい。

今後の研究の推進方策

令和4年度は、とくに北海道所在文書、また山形県所在文書等の調査を実施し、また文献との比較検討を行った。今年度は、その成果を踏まえて、県外所在文書、とくに関西方面に所在する文書などの調査を実施し、あわせて全体を整理していくこととしたい。また状況によっては北海道所在文書の補遺調査を実施したい。なお、コロナウイルス感染拡大状況の沈静化を鑑みて、原本調査の効率化を図るため、調査における協力者をさらに求めることを検討したい。あわせて写真資料等の活用も視野に入れた対応も検討したい。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルス感染拡大状況の影響により、執行状況にやや遅延がみられ、次年度使用額が生じることとなった。これらについては、感染拡大状況の緩和を踏まえて、昨年度未実施調査等を実施することにより執行することとしたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 越後文書宝翰集 築地氏文書2023

    • 著者名/発表者名
      矢田俊文・片桐昭彦・新潟県立歴史博物館編
    • 総ページ数
      78
    • 出版者
      新潟県立歴史博物館

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公開日: 2023-12-25  

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