古墳はこれまで、主に古墳時代の政治・文化の究明のために、考古学的方法によって遺跡として資料化され、価値付けされてきた。しかし実際には、古墳は古墳時代に限らず、長く現代まで、地域の中にあって地域の人びとの生活や生業と関連漬けながら活かされ、残されてきた景観構成要素としての側面がある。本研究はそのことに注目することで、古墳の歴史民俗資料としての価値を明らかにし、類型的に示すことができた。これによって、古墳の文化的景観(生活・生業によって形勢された景観)の構成要素として捉えることが可能となり、古墳の学術的可能性と価値を広げることができた。
|