研究課題/領域番号 |
20K00961
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研究機関 | 淑徳大学 |
研究代表者 |
遠藤 ゆり子 淑徳大学, 人文学部, 教授 (70612787)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 中近世移行期 / 南東北 / 大名 |
研究実績の概要 |
2年目の2021年度も、新型コロナウィルスの感染拡大の影響や、2022年3月の東北地方で起きた大地震によって、調査や研究会・打ち合わせを計画通りに進めることができなかった。そのため、新たな調査によって史料を収集することができず、既に手元にある史料の整理・分析や、収集すべき史料の所蔵状況を把握するにとどまった。 しかし、研究代表者・研究協力者が、それぞれ担当する大名や地域に関する研究を進めることはできた。2021年度の研究代表者による主な研究実績は、次の3点である。1つは、東北地方の戦国時代における研究状況を整理することができたことである(「中世後期守護研究の手引き」pp483~489執筆担当、川岡勉編『中世後期の守護と文書システム』思文閣出版、2022年所収)。2つ目は、南部氏・安東氏の領国境目地域に位置する、浅利氏が支配した比内郡の村々が、中近世移行期の複雑な政治動向のなかで、どのような動きを見せたかを考察したことである(「中近世移行期の浅利氏と比内の村々―陸奥・出羽国境の境目争い―」蔵持重裕編『日本中世社会と村住人』勉誠出版、2021年)。3つ目は、市民講座で中近世移行期の伊達氏や大崎氏に関する報告ができたことである(「伊達氏の領国支配」青森県八戸市、2021年7月、「戦国時代から江戸時代初期の岩出山」宮城県大崎市、2021年11月)。 また、本年度は学内への入構制限が一部解除された時期があったため、研究協力者とともに自治体史の文書目録作成を若干進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、史資料を悉皆的に調査・収集することを重視しており、その成果を目録などにまとめることを予定していた。しかし、新型コロナウィルスの影響により、東京~東北地方への移動が制限されていたり、史資料の所蔵機関が閉館したりしていたため調査が困難であった。さらに、本研究に関わる史料を多く所蔵する博物館が、長期休業に入ったことや、東北地方で起きた地震で博物館・図書館が被災し、公共交通機関も止まっていたことなどから、調査を行うことができなかった。同様の理由で、対面での研究会や打ち合わせも実施できていない。そのため研究の遅れが出てしまった。
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今後の研究の推進方策 |
早急に、オンラインで研究会および打ち合わせを行い、改めて研究計画を立て直したい。新型コロナウイルスの感染拡大、また2022年3月の東北地震による影響が続いているため、現状においても調査可能な施設はどこか、どのような調査が可能かなど、研究協力者と協力して情報を共有し、研究計画を立てていきたい。その上で、7月中頃までに調査先へ調査を依頼して日程を調整しようと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
何度か調査・研究会・打ち合わせの計画を立てたが、すべて新型コロナウイスル感染症および東北地方の大地震の影響により、実施することができなかった。そのため、予定していた旅費の支出額が0円となり、それにともなう人件費・物品費なども執行できなかった。2022年度は、調査・研究会・打ち合わせの回数および規模を再検討することで、研究の遅れを取り戻せるよう努めたい。
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