研究課題/領域番号 |
20K00966
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
吉岡 拓 明治学院大学, 教養教育センター, 准教授 (50733309)
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研究分担者 |
宮間 純一 中央大学, 文学部, 教授 (10781867)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 身分集団 / 由緒 / 丹波国桑田郡山国郷 / 広河原 / 御猟場 / 天皇 / 民衆 |
研究実績の概要 |
2021年度の研究実績としては、「『基盤研究(C)』及び『若手研究』における独立基盤形成支援(試行)」の成果として、「『丹州山国境内之目録」について―丹波国桑田郡山国荘(山国郷)の中近世移行期像再考に向けて―」『カルチュール』(明治学院大学教養教育センター)16-1、2022年)を発表した。前年度に発表した論文と同様、丹波国桑田郡山国郷を検討対象とした成果である。 「丹州山国境内之目録」は、寛文10年(1670)の成立とされる文書で、この地域の中近世移行期を研究する際の基本史料としてこれまで利用されてきた。論文では、この「丹州山国境内之目録」が寛文10年の成立とは見なしがたいことを論証することで、前年度の論文とは違う角度から、この地域の有力百姓集団(「名主」(みょうしゅ))に関する通説の相対化を図った。 上記論文の内容に関連して、2022年3月に京都府京都市右京区京北地域、左京区広河原地域、南丹市美山地域の景観調査を行い、近世期の絵図や「丹州山国境内之目録」をはじめとする由緒書類に記された旧山城国・旧丹波国の国境や村有山林の境目についての実地確認を行った。 なお、基盤研究(C)採択課題「明治~大正期民衆の天皇受容に関する研究-御猟場を事例に-」については、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、予定していた調査のほとんどを実施することができず、わずかに2021年12月に江戸川筋御猟場に関する文書を有する埼玉県越谷市・春日部市で調査を1回実施するにとどまった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前年度と同様、新型コロナウイルス感染拡大により予定していた調査の中止・自粛を余儀なくされたため、基盤研究(C)採択課題「明治~大正期民衆の天皇受容に関する研究-御猟場を事例に-」については、予定していた調査・研究のほとんどを実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
助成期間3年のうちの2年を経過したが、ほとんど調査を実施することができないまま現在に至っている。コロナ禍はいまなお収まってはいないが、感染拡大を理由とした史料所蔵機関の閉鎖も少なくなり、また、行動自粛要請の内容も、調査研究の実施に支障のない程度のものになってきたことから、2022年度は積極的に調査に出ていくこととしたい。ただし、1年で予定していた研究のすべてを行うことは不可能なため、補助期間の延長についても視野に入れていくこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により、2020年度に引き続き、予定していた調査のほとんどすべてについて中止・自粛を余儀なくされたことから、予算の多くを使用することができなかった。 今後は、補助事業期間の延長を視野に入れつつ、調査を積極的に実施し、当初の計画を可能な限り遂行していきたい。
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