研究課題/領域番号 |
20K00970
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
人見 佐知子 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (00457029)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 遊廓 / 公娼制度 / 性売買 / 娼妓 |
研究実績の概要 |
2020年度は、前科研の調査・研究の成果をひきつぎ、一次史料から性売買の実態を明らかにするために以下の調査・研究をおこなった。 1.前科研で史資料を収集・調査した滋賀県八日市新地関係史資料(貸座敷清定楼の旧蔵資料で、「遊客名簿」のほか民俗資料を多く含む点に特徴をもつ)について分析をすすめ、研究成果の一部を国立歴史民俗博物館図録『企画展示 性差の日本史』に掲載した。 2.同じく、前科研で史料を収集した奈良県大和郡山市洞泉寺遊廓旧川本楼(大和郡山市所蔵)の「娼妓名簿」「遊客名簿」や、金沢市の芸娼妓紹介業者による「芸娼妓紹介簿」や娼妓の手紙を含む「金沢遊郭芸娼妓関係文書」(近畿大学図書館所蔵)といった遊廓関係の一次史料の調査をさらにすすめ、人身売買や芸娼妓紹介人、前借金、住替えの実態や「家」との関係などについて考察した。その成果の一部は、国立歴史民俗博物館図録『企画展示 性差の日本史』に掲載するとともに、植民地遊廓科研セミナー「釜山における日本式遊廓の導入と定着」(2021年3月13日)で報告した。 3.総合女性史学会編『ジェンダー分析で学ぶ 女性史入門』(岩波書店、2021年)では、「遊廓と遊女」の章を分担執筆した。右では、遊廓や遊女をめぐる研究がジェンダー視点の導入によってどう変化したかを主軸に先行研究を整理したうえで、「芸娼妓解放令」が遊女たちにとってどのような経験であったのかを、遊廓の近代的再編の過程と関連づけて考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、すでに撮影・収集した史料(奈良県大和郡山市洞泉寺遊廓旧川本楼関係史料、「金沢遊郭芸娼妓関係文書」など)の整理を分析と並行しておこなったが、一部に未整理の史料を残し、翻刻作業(データ化)も遅れている。また、分析をさらに充実させるために関連史資料の調査も必要である。次年度以降、さらに史料調査と翻刻をすすめ、研究成果の発表をめざしたい。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、今年度にひきつづき、奈良県大和郡山市洞泉寺遊廓旧川本楼関係史料、「金沢遊郭芸娼妓関係文書」を中心に分析をすすめ、一次史料から性売買の実態を明らかにすることに取り組む。 史料の翻刻(データ化)については、古文書読解能力をもつ協力者の支援を得ておこなう予定である。研究成果は、適宜学会・研究会等で報告するとともに論文化をすすめる。また、学会や研究会に積極的に参加し、視点や方法の修正をおこないつつ、研究内容の精緻化をめざしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため旅費や人件費を執行でききなかったため
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