研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、尚家の近現代史についての実証的研究を行い、東京・沖縄を結ぶ旧支配層ネットワークの形成過程およびその社会的影響力について明らかにすることである。研究にあたっては、①1879~1901年、②1901~1945年、③1945~1972年に時期区分したうえで、各時期の論点について検討した。それによって、①東京・沖縄を結ぶネットワークの形成過程、②尚侯爵家における家政機関の変遷、③敗戦直後の東京沖縄人社会における尚侯爵家の位置、などが明らかとなった。
日本近現代史・沖縄近現代史
まず、「尚家文書」を所蔵する那覇市歴史博物館の協力のもと、デジタルデータ化を行うことで新規公開された国宝未指定分「尚家文書」を用いて、尚泰死去以降の時期を実証的に検討した点に学術的意義があると考える。また、「沖縄研究」は、基地問題に象徴される政治や社会運動のほか、文化・思想なども含め、現代社会との緊張関係と不可分であり、本研究の社会的意義もそこに存するといえる。