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2022 年度 実績報告書

古代古文書学の構築と東アジア古文書学

研究課題

研究課題/領域番号 20K00986
研究機関早稲田大学

研究代表者

川尻 秋生  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70250173)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード宣旨 / 綸旨 / 東アジア古文書学
研究実績の概要

これまで、日本の古文書学は中世史を中心として研究されてきたが、近年では、古代史でも注目されるようになってきた。しかし、古代史では、日唐の公式令を中心として議論されてきたために、日本の公式令に規定がない宣旨・綸旨・教書などについては、これまでほとんど日唐の比較研究が存在しなかった。
一方、中世古文書学では、宣旨・綸旨・教書は、その機能の変遷を廻って、多くの研究が積み重ねられてきたものの、その起源や古代からの連続性については等閑視され、もっぱら中世史のなかで扱われてきた。
こうした研究上京のなかで、申請者は、日本の公式令に規定がない古文書様式が中国からどのように日本にもたらされ、受容されたのか、またその機能はどのように変化したのか、また、他の東アジア諸国の中で、これらの文書様式が存在するのか、存在するとしたならば、日本とどのように異なるのかなどの問題について研究を行った。さらに、こうした研究を東アジア古文書学と命名し、今後の研究の必要性を説いた。
その結果、宣旨は中国にも存在し、日本と異なって、特定の様式の文書ではなく、皇帝の口頭に基づく王言や文書の相承であり、日本では口頭と深く関係する点を中心に継受したことが判明した。朝鮮では、口頭との関係は不明確なものの、王言として機能したことが明らかとなった。
綸旨は、もともと中国では王言の総称であり、日本でも奈良時代の終わり頃、同様の王言として将来された。そして、その導入には、入唐僧や唐の仏教関係の書物の伝来と深く関わることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 宣旨と綸旨―東アジア比較古文書学の視点から―2023

    • 著者名/発表者名
      川尻秋生
    • 雑誌名

      国立歴史民俗博物館研究報告

      巻: - ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 宣旨と綸旨2022

    • 著者名/発表者名
      川尻秋生
    • 学会等名
      第66回国際東方学者会議SYMPOSIUMⅢ{東アジア比較古文書学の可能性」(オンライン)
    • 国際学会 / 招待講演

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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