今回の研究から、東アジアの古文書を総体的に研究することによって、それぞれの地域の特色を抽出できることが確認できた。こうした研究はこれまで行われたことはなく、今後、深化させることで、東アジア世界の共通性と異質性を明らかにすることができることが、確認できた。 従来、日唐の律令比較に留まっていた古代の比較史研究に新たな分野を確立することが可能となり、しかもも中国のみならず、朝鮮半島との比較が可能になった意義は大きいと考える。今後は、ベトナムなど、他の地域の国々の古文書も比較検討し、「東アジア比較古文書学」という研究分野を構築したい。
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