本課題は、古代荘園と在地社会の実態的分析から「日本型律令制」の理念と実態を新たな分析手法により明らかにすることを目的とした。炭素14年代分析法、高精細の顕微鏡システム、地理情報ソフトなど新たな分析手法を駆使することにより、従来の肉眼観察的な成果に比較して、より高度な分析情報を獲得できるようになり、絵図や文書の正確な読み取りが可能となった。 古代国家が荘園経営を認定する場合の法的根拠として、氏族の墓や馬を飼育する牧が根拠とされ、官符認定などが必要とされた。こうした古代荘園領有の根拠が荘園において共通していることが確認されたことも成果である。
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