研究実績の概要 |
今年度も、海外での文献調査を予定していたが、パンデミックにより海外渡航が難しく、海外へ赴くことを差し控えざるをえなかった。代わりに、フランス国立図書館等のネット上の文献や国内の図書館所蔵の文献を入手し、本研究課題に必要な研究蓄積を探索し、情報を収集を行うとともに、関連する論文を発表した。本研究課題との関連で、今年度の成果として挙げられるのは、以下である。 ①共著(国際):Western Historiography in Asia: Circulation, Critique and Comparison, Q. Edward Wang, Okamoto Michihiro, Li Longguo eds., De Gruyter Oldenbourg, 2022, 657p., Hasegawa Mayuho, "Hayden White and the Historians: A Historical Narrative in Time", p. 367-394. 本稿は、海外の研究者と歴史叙述をめぐる動向を共有するのために作成したものだが、歴史叙述の身体性を論じており、本研究課題である啓蒙期の歴史叙述を考えるうえで必要な、研究方法やパースペクティヴについて考察している。 ②雑誌論文:「近世フランス農村における「多数決」について;一七七四年マコン小教区の村総代選出における紛糾事例」『地域文化研究専攻 紀要 Odysseus』XXVI, 2022年, 1-25頁.本稿は18世紀のシャンパーニュのある小教区での紛争を史料に基づいて考察した個別論文である。オーラルとエクリの問題を論じ、18世紀の人間の意思決定、身体、紙について考察している。
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