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2020 年度 実施状況報告書

19世紀アメリカ合衆国の奴隷制擁護論に注目した南北戦争の思想的背景を巡る研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01049
研究機関西南学院大学

研究代表者

朝立 康太郎  西南学院大学, 国際文化学部, 准教授 (80513762)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード奴隷制 / アメリカ合衆国南部 / 政治経済学
研究実績の概要

本研究(19世紀アメリカ合衆国の奴隷制擁護論に注目した南北戦争の思想的背景を巡る研究)に着手するにあたって、初年度は、18世紀から19世紀前半にかけての政治経済学の展開と奴隷制擁護論との関係性を概括した。これにより、アメリカ合衆国の南部が、植民地時代より近代世界システムの「周縁」として機能する中で、人的交流や出版物の流通を通じてスコットランド啓蒙の影響を強く受けたこと、また18世紀末から19世紀前半にかけての「政治経済学」の潮流の中で、奴隷制を基盤とする地域経済を把握し合理化する試みが存在したことを観察することができた。これにより、従来の南北戦争史理解の前提とされてきた、「南部=後進的地域」という理解を見直す糸口を見つけ出すことができた。なお、この成果は、2021年1月に行われた北アメリカ史研究会第77回例会で報告(「“herrenvolk democracy”と“southern thought”―「政治経済学」を巡る理解の変質―」)し、また西南学院大学国際文化論集第35巻第2号に論文(「アンテベラム期の南部知識人による「政治経済学」批判(一)」)として掲載した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ禍による海外渡航の制限により、初年度に計画していた資料収集が不可能となったため、国内において実行可能な研究作業に切り替えた。

今後の研究の推進方策

2年目となる2021年度に資料収集を目的とした渡米を計画しているが、実現は不透明である。したがって、資料分析やその結果をまとめる作業も後ろ倒しになる可能性が高い。研究期間の延長が従来通りの1年間であるとしたら、本年度末を目途に、研究計画の大幅な変更も想定している。

次年度使用額が生じた理由

初年度に計画していた海外渡航の費用を次年度に繰り越したことから、次年度使用額が325,270円となった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] アンテベラム期の南部知識人による「政治経済学」批判(一):「自由な社会」の理解を巡る予備的考察2021

    • 著者名/発表者名
      朝立康太郎
    • 雑誌名

      西南学院大学国際文化論集

      巻: 第35巻第2号 ページ: 29-57

  • [学会発表] “herrenvolk democracy”と“southern thought” ―「政治経済学」を巡る理解の変質―2021

    • 著者名/発表者名
      朝立康太郎
    • 学会等名
      北九州アメリカ史研究会

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公開日: 2021-12-27  

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