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2023 年度 実施状況報告書

古墳出現期の手工業生産の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01086
研究機関奈良県立橿原考古学研究所

研究代表者

小池 香津江  奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 特別研究員 (00250390)

研究分担者 水野 敏典  奈良県立橿原考古学研究所, 企画学芸部企画課, 副主幹 (20301004)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード鉄器生産技術 / 古式土師器 / 地域間古流 / 手工業生産 / 古墳出現期
研究実績の概要

本研究では、古墳出現前後の手工業製品の代表として鉄器と土器を取り上げ、列島各地の鉄器生産技術系譜と地域間交流の関係を明らかにすることを目的とする。北部九州博多湾沿岸と、古墳時代前期大型前方後円墳が集中する近畿地方中央部奈良盆地で共通した鉄器生産技術が存在することに注目し、遠隔地型の地域間交流と鉄器生産の技術革新の関係を明らかにしようとする。大型砥石と鑿等の工具類に注目し、各地の鍛冶遺跡の大型利器制作の可能性を検討するとともに、出土土器の分析による地域間交流の検討を行うことで、多くの技術革新があったと考えられる古墳種具元気における手工業生産技術の発展過程を解明するものである。

2023年度は、鉄器生産関係資料の修正を継続し、全国的な鉄器生産関連資料の分布を把握するためのデータベース作成を行った。報告書等の文献から、弥生時代から古墳時代前期の鉄器生産遺跡や鍛冶関連遺物のキーワードから資料を抽出し、データベースを作成した。さらに、奈良県内資料を中心に基礎資料を収集し、詳細観察を行った。奈良盆地東南部の纒向遺跡では、鉄器・鍛冶関連遺物について詳細を分析し、考察した(水野敏典「纒向遺跡における鍛冶関連遺物の基礎的研究」『橿原考古学研究所論集』第18 奈良県立橿原考古学研究所 2023.9.13 89-98頁)。さらに、地域間交流の実態と鍛冶関連遺物との関係を解明するため、纒向遺跡を中心に奈良盆地周辺の外来系土器集成を継続中である。詳細観察については、関係機関との調整を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

計画当初において新型コロナウイルス拡大感染をうけ、外部機関への訪問を伴う資料の実見を見送ったため、全体研究スケジュールを変更し、データベース作成を優先したため、詳細観察や撮影、実測などのデータ作成と比較検討が十分にできなかった。現在影響は縮小したものの、研究スケジュールとその他業務との調整に困難を生じている。文献資料による資料集成については調査補助員を雇用して順調に作業が進んでいる。

今後の研究の推進方策

鍛冶関連資料及び土器による地域間交流を示す資料について、文献等による集成をとりまとめるととともに、詳細観察の対象を絞り込み、優先順位の高いものから実見し、詳細観察、撮影、実測等のデータ化を実施する。

次年度使用額が生じた理由

研究スケジュールを変更し、遠距離移動を伴う資料実見のための旅費執行および研究成果取りまとめの成果物政策を次年度に繰り越したため、次年度使用額が発生した。
次年度に資料実見および成果取りまとめを行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 纒向遺跡における鍛冶関連遺物の基礎的研究2023

    • 著者名/発表者名
      水野敏典
    • 雑誌名

      橿原考古学研究所論集

      巻: 18 ページ: 89-98

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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