研究課題/領域番号 |
20K01087
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研究機関 | 九州歴史資料館 |
研究代表者 |
森井 啓次 九州歴史資料館, 文化財調査室, 研究員(移行) (10446883)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 戦争遺跡 / 軍事に関する遺跡 / 掩体 |
研究実績の概要 |
令和2年度は研究初年度にあたり、準備・基礎研究のための期間とした。研究に必要な物品等を購入し、現地調査の計画をたて、可能な範囲での現地調査を実施した。 現地調査は福岡県内を中心に、関連する九州内及び周辺地域の飛行場及び関連施設の現地を訪問し、現況確認、写真記録撮影、略測などを行った。施設に関しては航空機用掩体を中心とし、その他の施設も可能な限り調査の対象とした。 現存する航空機用有蓋掩体に関しては、海軍型と陸軍型の形状が異なる事は従前から言われているとおりで、事実を追認した。一方で、形式分類に関しては属性を細分し、より詳細に分類できると思われ、事例をさらに追加し、確認した上で次年度には分析したい。 今回の現地調査においては海軍赤江飛行場の掩体1基で従前確認されていなかった掩体前面を閉塞するための扉施設レール跡を確認した(既知の1基に加えもう1基)他、海軍三保飛行場掩体1基でも同様の施設の可能性がある個所(発掘していないので不確定)を実見した。これらは更に他事例がないか確認作業を継続する。 一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受け、交付が遅延した事、及び緊急事態宣言の発令などによる県内外の公務出張の自粛要請がかかる期間が長かったため、当初想定していた現地調査、資料調査を実施する事ができず、特に首都圏で予定していた文献資料調査は全く実施できなかった。ネット等により本研究に必要な史料が存在している事を確認しており、次年度に実見する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受け、交付が遅延した事、及び県内外の公務出張の自粛要請がかかる期間が長かったため、当初想定していた資料調査を実施する事ができず、特に首都圏で予定していた文献資料調査は全く実施できなかった。 現地調査に関しては当初予定個所を全て完了してはいないが、数か所で実施し、一定の成果を得ることができ、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の拡大の推移を見ながら、引き続き現地調査を継続する。航空機用掩体のほか、現存する滑走路や関連施設の状態調査を実施し、基礎資料を収集する。一定の資料収集ができた段階で分析を進める。
あわせて文献資料調査を進め、現地調査で得られた資料の分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受け、予定した出張による資料調査及び現地調査ができなかった。感染状況の推移を見極めた上で次年度に実施する。
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