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2020 年度 実施状況報告書

ロシア沿海地方における渤海(698~926年)遺跡出土遺物編年の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01096
研究機関金沢大学

研究代表者

小嶋 芳孝  金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (10410367)

研究分担者 岩井 浩人  青山学院大学, 文学部, 准教授 (10582413)
中村 亜希子  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 客員研究員 (60600799)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード渤海 / 編年 / ロシア沿海地方 / クラスキノ城跡 / 福井県立歴史博物館 / 瓦当の3D撮影 / 瓦の胎土観察
研究実績の概要

本研究は、ロシア沿海地方の渤海(698-926年)時代の遺跡から出土した土器・瓦・金属器の考古学的な考古学的調査と、既に公表されているC14年代測定結果や中国唐代の紀年名資料などとの比較検討により、渤海時代の遺跡から出土した考古資料の編年研究の基盤形成を目的としている。
当初の調査計画では、ロシア連邦ウラジオストク市に所在するロシア科学アカデミー極東支部歴史学考古学民族学研究所の協力を得て、現地での資料調査と国内での検討会により研究を進める予定だった。しかし、新型コロナウイルスの蔓延によりロシアへの渡航が困難になり、またウラジオストクの研究所が長期間閉鎖されるなどの事態となり、ロシア現地での資料調査を実施することができなかった。また、日本国内でも分担研究者との研究会を開催できなかった。
2020年9月21日にzoomを使用した打ち合わせを分担研究者と実施。コロナの影響下での研究方法について相談し、当面は各自分担の研究史を整理することとした。
2020年11月28日・29日に、福井県立歴史博物館が所蔵する渤海瓦(斉藤優の調査資料・中国吉林省琿春市周辺の遺跡採集)の3D撮影と胎土観察をおこなった。現在、3D撮影の成果を元に瓦の同笵関係について研究を進めている。また、胎土観察の結果、西古城と八連城出土の瓦の内、複弁蓮弁文瓦の胎土は砂礫が多く、ハート形蓮弁文瓦には砂礫が少ないという明瞭な相違のあることが判明した。この結果は、前者と後者の瓦を生産した窯が異なっていた可能性が高いことを示している。西古城と八連城出土瓦の窯が共通するのか、または別々にあったのかについては、瓦の同笵関係も含めて検討を進めたい。
福井県立歴史博物館での調査成果を元に、コロナの状況が改善されてロシア渡航が可能になりしだい、ウラジオストクを訪問してクラスキノ城跡出土の瓦と比較検討をおこないたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス蔓延の影響で、ロシア連邦ウラジオストク市にあるロシア科学アカデミー極東支部歴史学考古学民族学研究所での資料調査を全く実施できなかった。また、国内でも、分担研究者が集まって研究会を開くことができなかった。このため、主に旅費約46万円が執行残となった。以上の事由により、当初予定していた研究計画に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス蔓延の現状が終息しだい、ロシア連邦ウラジオストク市にあるロシア科学アカデミー極東支部を訪問して、資料調査を進めたい。また、国内での研究会もできるだけ開催したい。現状では、ロシアへの渡航は困難な状況が続いているので、昨年度から実施している研究史整理を継続する。また、昨年度は、zoomによる打ち合わせを一回しか開けなかったが、2021年度は計画的にzoom会議を開いて研究の促進に努めたい。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス蔓延の影響で、当初計画していたロシアでの資料調査、国内での研究会開催ができなかった。このためロシアへの渡航費、国内旅費が未執行になった。2021年度中に渡航可能になりしだい、ロシアへ渡航して資料調査を実施したい。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (5件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] ロシア沿海地方、10世紀代の平地城・山城踏査について2020

    • 著者名/発表者名
      小口雅史、小嶋芳孝
    • 雑誌名

      弘前大学國史研究

      巻: 149 ページ: 22-30

  • [雑誌論文] 靺鞨・渤海の住居構造と地域性2020

    • 著者名/発表者名
      中澤寛将
    • 雑誌名

      池上悟先生古稀記念会(編)『芙蓉峰の考古学』

      巻: Ⅱ ページ: 741-750

  • [雑誌論文] 北東アジア2020

    • 著者名/発表者名
      岩井浩人
    • 雑誌名

      日本考古学年報(2018年度版)

      巻: 71 ページ: 49-53

  • [学会発表] 渤海仏教遺跡研究の現状と課題2020

    • 著者名/発表者名
      小嶋芳孝
    • 学会等名
      東アジア比較都城史研究会 第1回共同研究会
  • [学会発表] 考古学からみた渤海とその周辺2020

    • 著者名/発表者名
      中澤寛将
    • 学会等名
      二国間交流セミナー「高句麗・渤海史に関する日中研究者会議」予備報告会/第5回金毓黻と東北アジア史研究会
  • [学会発表] 渤海上京城遺跡における寺院と禁苑2020

    • 著者名/発表者名
      中村亜希子
    • 学会等名
      東アジア比較都城史研究会 第1回共同研究会
  • [学会発表] 渤海瓦せん研究の諸問題―なぜ、考古学者は瓦を研究するのか―2020

    • 著者名/発表者名
      中村亜希子
    • 学会等名
      二国間交流セミナー「高句麗・渤海史に関する日中研究者会議」予備報告会/第5回金毓黻と東北アジア史研究会
  • [学会発表] フォトグラメトリーによる三次元計測データの比較2020

    • 著者名/発表者名
      中村亜希子
    • 学会等名
      日本文化財科学会第37回大会
  • [図書] 渤海の古城と国際交流2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木靖民、金子修一、浜田久美子、赤羽目匡由、澤本光弘、宋基豪、清水信行、田村晃一、小嶋芳孝、A.L.イブリエフ、V.I.ボルデイン、酒寄雅志、中澤寛将、E.I.ゲルマン
    • 総ページ数
      466
    • 出版者
      勉誠出版
    • ISBN
      9784585222897
  • [図書] 中国考古学論叢-古代東アジア社会への多角的アプローチ2021

    • 著者名/発表者名
      中村亜希子、大貫静夫、鈴木舞、他7名
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      同成社
    • ISBN
      9784886218650
  • [図書] 講座畿内の古代学第Ⅲ卷 王宮と王都2020

    • 著者名/発表者名
      小嶋芳孝、仁藤敦史、重見泰、李陽浩、吉永眞彦、小澤毅、他10名
    • 総ページ数
      502
    • 出版者
      雄山閣
    • ISBN
      9784639027294

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公開日: 2021-12-27  

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