本研究は、日本出土の植物灰ガラスの起源について分析化学的手法から明らかにしようとするものである。日本出土の植物灰ガラスのうち、化学組成から西アジア産と推定されたものについては、西アジアで出土する植物灰ガラスや原料植物と類似のSr同位体比を持ち、西アジア産の可能性が高まった。一方、それ以外のものについては、西アジア出土品とはSr同位体比が異なっていた。特に、重層ガラス玉については、高いSr同位体比を持ち、Al2O3が多いという材質的特徴も併せてインド・パキスタン地域で生産された可能性が示唆された。
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