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2020 年度 実施状況報告書

電信電話総合地図を活用した細密集落データの作成と応用可能性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01143
研究機関愛媛大学

研究代表者

渡邉 敬逸  愛媛大学, 社会共創学部, 准教授 (30711147)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード電信電話総合地図 / マイクロジオデータ / 集落 / 無住化
研究実績の概要

本研究では電信電話総合地図の四国地方全148葉を対象として、GISによる同地図の地理空間データ化を通じてその特性を明らかにするとともに、同地図を基にした細密集落データを作成し、これを事例研究に応用することで電信電話総合地図の応用可能性を明らかにする。本年度は①電信電話総合地図の来歴の検討、②各図の幾何補正による電信電話総合地図の精度の検討、③基図である旧版地形図および参考図である通信地図との比較による電信電話総合地図の特性の検討、④各図に記載される集落データの地理空間データ化による情報量の検討を実施した。
①については、電信電話総合地図の由来は、郵電分離後の旧電気通信省において作成が開始された通信地図の代替地図にあり、その後の旧日本電信電話公社においてその調製内容が規格化されたものが現在に伝わっているものと考えられることが明らかになった。②については、電信電話総合地図の図式は通信地図全図と旧版地形図を踏襲するものであり、その作図精度は現在の50,000分の1の地理空間データの縮尺レベルに相当する精度基準を概ね満たすものであることが示された。③については、地物の描写内容は概ね通信地図全図の転写によると判断され、これらの地物は他の地図類では得難い特殊かつ詳細な情報を含むものであることから、地理的研究において有用な情報を含むものであると考えられる。④については、電信電話総合地図に記載される集落データを地理空間データ化した結果、そのデータ数は既存の同種の地理空間データよりも2倍弱のデータ量があり、既存の地理的資料よりも詳細な集落を捉えうる可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

電信電話総合地図の四国地方全148葉の幾何補正と集落データの地理空間データ化が概ね終了した。特に後者については2年目の作業としていたが、電信電話総合地図の幾何補正が容易であったことから、幾何補正を終了した図郭から順次地理空間データ化を実施した結果、1年目で2年目の作業目標としていた集落データの地理空間データ化を概ね終了することができた。

今後の研究の推進方策

電信電話総合地図の地理空間データ化を通じて四国地方の細密集落データを取得できたことから、3年目の応用研究として設定していた「無住化集落の推定および現地調査」を実施する。また、四国地方以外の電信電話総合地図も入手し、その地理空間データ化を実施する。

次年度使用額が生じた理由

予定していた現地調査がコロナ禍により取りやめになったため。現地調査は次年度に適切に利用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 地理学的研究における電信電話総合地図の応用可能性に関する研究2021

    • 著者名/発表者名
      渡邉敬逸
    • 雑誌名

      社会共創学部紀要

      巻: 5 ページ: 51-67

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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