「集落」は人と土地とを結びつける重要な地域単位であるが、そのスケールは市町村間で異なるため、「集落」を対象とする公的調査や学術的調査ではその相違により様々な問題が生じている。特に人と環境との関係学である地理学では「集落」は多様な人間活動と周辺環境と関連づける枠組みとして重要な意味を持っているが、上記した問題により多数の集落を俯瞰して検討するようなマクロスケールで集落を語ることが難しい状況にある。そこで本研究はこうした「集落」のスケール問題を解消しうる資料として、微細な集落が収録される電信電話綜合地図の特性と応用を検討し、集落を対象とする地理学的研究への本地図の高い応用可能性を明らかにした。
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