研究課題/領域番号 |
20K01152
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研究機関 | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(機構本部施設等) |
研究代表者 |
市野 美夏 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(機構本部施設等), データサイエンス共同利用基盤施設, 特任助教 (40376968)
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研究分担者 |
三上 岳彦 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 客員教授 (10114662)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 歴史気候学 / 日記天候記録 / 江戸時代 / 気候変動 / 日射量 / 冷夏 |
研究実績の概要 |
本年度は、コロナ禍のため、当初予定していた現地での新たなデータ収集は困難であり、研究計画を精査し、以下を進めることとした。 日射量推定に向け、気象庁の観測値の整備と歴史天候データベース(HWDB)の精査を進めた。観測値はマイクロフィルムから、東京、彦根、大阪、京都の雲量、日照時間、降水量をデジタル化した。入力作業を補助するため、マイクロフィルムのIIIFフォーマット化と閲覧機能を提案し、代表者が所属する人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)で開発された地上気象原簿アーカイブを利用した。HWDBについては、刊行資料等を利用し、八王子と横浜のデータの内容を精査した。また、日記天候記録のデータフォーマットを検討し、これまでのプロジェクト等で収集され、未整理のデータを推定データ用にデジタル化した。メタデータについては、CODHのれきすけ(https://rksk.ex.nii.ac.jp/)の試験運用を利用し、整備を進めた。 推定方法の検証および改修のため、HWDBの1661年から1885年までの天気情報(60地点)、八王子「石川日記」の翻刻刊行物の1885年から1912年までの天気情報から月平均日射量の推定を試みた。天保飢饉における1836年の大阪米価の異常高騰について、この結果を利用し、日射偏差分布の季節推移から分析考察した。1836年は北九州から南東北にかけて、5月から9月まで天候不良が続き、1833年、1838年に比べ、大きな米価高騰につながったことが示唆された。本成果は、ヨーロッパ地球科学連合2020および日本地球惑星連合大会2020で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍により、現地での資料収集ができず、今年度予定していたデータ整備は未完了である。一方、2021年度以降予定していた解析と日射量推定を進め、経済データを利用した気候変動と社会変動の連関解析を試みることができた。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね計画通り進んでおり、初年度の計画に従い、研究を推進していく。 一方、出張を伴う資料収集については、コロナ禍で計画通りの実施は難しいと考えられる。そのため、今年度と同様、実施可能な研究計画を前倒して進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、コロナ禍で、全項目において研究費の使用が減額またはなしとなった。具体的には、各地での歴史資料の調査および収集ができず、出張予定がなくなった。学会発表等がすべてオンラインとなり、参加費および旅費が不要となった。在宅勤務となり、物品購入等が容易ではなくなり、加えて、気象庁の移転に伴い、気象データの購入を見送った。謝金を利用したデータ整備では作業者の確保が困難となった。以上が、次年度使用が生じた理由である。 次年度の使用計画において、今年度の成果の発表を進めており、投稿にかかる費用として使用する。コロナ禍におけるデータ整備作業体制も整いつつあり、次年度以降の物品費、人件費・謝金を、データ整備のために使用する。現地調査が可能となった際、資料調査を進めるための旅費として使用する。また、コロナ禍以前と同程度に国内外の学会等が開催され、現地に赴くことを想定し、研究成果発表にて、旅費および参加費として使用する。
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