研究課題/領域番号 |
20K01153
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研究機関 | 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター) |
研究代表者 |
川村 紀子 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター), 国際海洋政策研究センター, 准教授 (80442458)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 石英 / 包有物 / 磁気分析 / 法地質学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、地質学、地理学や法科学において「この土砂は,どこから来たのか」と必ず問われる問題に対して、石英の包有物から回答することである。これまで石英の包有物の分析方法は、X線を用いた化学分析が主流で、試料を消費するのが一般的である。しかし、本研究では磁気測定による方法を試みた。磁気測定は,高温での測定を除くと迅速で非破壊で実施が可能である。低温での磁気測定は、分析中に試料の化学変化がほとんど起こらない。よって石英を磁気分析することで包有物の有無や鉱物種を迅速に非破壊で推定可能である。特定の地域の堆積物に含まれる石英の包有物を調べて、地域ごとに特徴付けする研究例は、世界でも初めての試みである。特に磁気測定によって石英の包有物を磁気測定結果から分類できれば、事件や事故の科学捜査において証拠品として採取される土砂の分析に役立つ。このように本研究結果は、法科学分野での新たな応用面が期待される。 研究実施計画では、4つの地域の土壌や海岸堆積物に含まれる石英の分析を予定していた。しかし、新型コロナウィルス感染症の流行によりサンプリングに行けなくなったため研究に必要な試料を得ることが出来ず、計画の変更を余儀なくされた。そこで当初の計画の2つの地域、そして既に採取されていた青森沿岸の海岸堆積物を新規に加えて、3つの地域の堆積物を研究対象とした。 当初の計画では、昨年度に終了する予定であったが、学外の研究機関の機器類を利用した石英の磁気分析を終了できなかったために、研究実施計画を変更して研究期間を1年延長した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染症の流行が落ち着き、分析のために長期間出張することが可能となった。研究に必要なデータを得られるようになり、論文の執筆が出来るようになった。日本海沿岸と瀬戸内海沿岸の海岸堆積物の分析が終了し、研究成果を学術論文として公表することが出来た。これまでに研究成果を2本の論文で公表した。現在、投稿中の論文が1本ある。
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今後の研究の推進方策 |
投稿準備中の論文が1本あり、研究成果を早期に公表できるように努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の流行により、出張に行けない時期があったため、旅費の使用に変更が生じた。
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