本研究の目的は,日本の子どもの生活空間,特に登下校の空間の子どもの成長に寄与する役割を,児童の位置情報システムによる行動軌跡の分析から検討した。登校の位置情報を午前6時45分から8時14分までを分析の範囲とし、5分ごとにそこで取得された点の数を学校ごとにカウントした。多くの学校では7時50分前後に学校の玄関をあけ、その時刻を目がけて登校する。7時35分から45分までの間に移動のピークがあった。クラスター分析の結果、1.農村的地域、2.漸移帯、3.大規模校、4.都市型、5.遠距離通学型となり、多様な通学路上の課題が見られた。その中、2.では友人同士の自由な登下校の様子が位置情報から推測された。
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