研究課題/領域番号 |
20K01163
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
小田 宏信 成蹊大学, 経済学部, 教授 (30280001)
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研究分担者 |
小金澤 孝昭 宮城教育大学, その他部局等, 名誉教授 (70153517) [辞退]
藤田 和史 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (90613216)
遠藤 貴美子 敬愛大学, 経済学部, 准教授 (30781108)
佐々木 達 法政大学, 文学部, 准教授 (40614186)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | SDGs / 持続可能な地域経済社会 / 次世代の担い手づくり / 移住 / 起業 / うらほろスタイル / うるぎ走る村プロジェクト / テレワーク |
研究実績の概要 |
前年度と同様、新型コロナウィルスの感染拡大によって、当初予定していた現地調査に大幅な遅れが生じている。当年度においては、地方遠隔地における調査研究を再開し北海道十勝地域(とくに浦幌町)および長野県売木村等において現地調査を実施した。両地域ともに徹底的に地域資源・地域条件を活用しつつ域外との交流を深めている。 北海道浦幌町は、十勝地方の東部に位置する農林水産業の町である。1960年代には14000人を数えた人口は今日、約4300人にまで減じている。人口減少には著しい社会減が影響してきたのであるが、近年では若年層の流入が顕著になっている。Ⅰターン人口増加の背景には、2007年からの「うらほろスタイル教育」に端を発する一連の取り組みがある。うらほろスタイルは持続可能な地域づくりのための次世代の担い手づくりを目的に地域内外の主体の協働体制で推進してきたものである。2020年からは一般社団法人十勝うらほろ樂舎による十勝うらほろ創生キャンプ事業が開始され、独自の地方創生モデルの姿が示されつつある。 一方、長野県売木村は、四方を山に囲まれた標高800mほどの盆地底に中心集落のある人口500人の村である。県下で最下位から2番目の人口規模ではあるが、県外からの人口流入に支えられて過度な社会減とはなっていない。いまや人口の3割以上はIターン移住者によって占められているとされる。同村の地域づくりの新しいアクションは、2006年の農業生産法人ネットワークうるぎの発足を契機としており、農業体験を通じた大都市住民との交流が生まれた。2012年からはスポーツ振興が一つの軸として位置付けられるようになり、あわせて、移住・定住・共住施策や、移住者の起業支援などが進められている。 上記のほか、過年度からの継続研究対象地域に位置付けている徳島県のサテライトオフィス事業に基づく持続可能な地域づくりに関する分析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究期間のうち最初の2カ年間はコロナ禍に見舞われ,十分な現地調査を実施できず,その遅れを回復できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行によって、現地調査がしやすくなったため、研究期間の延長も視野にいれつつも、現地調査をすすめ、あわせて研究成果の公表に結びつけていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大による調査計画の遅れにより、当初予定していた旅費の支出が大幅に抑制されたためである。同ウイルスの5類感染症移行によって現地調査が実施しやすくなるため、現地調査のための旅費を支出していく予定である。
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