研究課題/領域番号 |
20K01168
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
鳴海 邦匡 甲南大学, 文学部, 教授 (00420414)
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研究分担者 |
塚本 章宏 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (90608712)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 海図 / 東アジア海域 / 英国水路部 / 日本海軍水路部 / 近代 / 水路誌 |
研究実績の概要 |
研究計画調書に記した「研究の目的」は、東アジア海域における1800年代の近代海図の整備過程を、その技術的背景の理解も含めて明らかにすることとし、そのため以下の4つの課題を設定した。それらは、①英国水路部による海図の整備過程の理解、②近代海図移行期としてのダニエル・ロス海図の調査分析(技術と地名など)、③19世紀後半における米国測量艦隊の活動、④日本海軍水路部による海図の整備過程の進展、であった。 それらの分析には、当時の資料(海図や水路誌など)の利用が必須であり、それらを所蔵する機関での調査を基本作業と考えた。研究計画では、2020年度から2021年度にロンドン(イギリス)の大英図書館や英国公文書館、ワシントンDC(アメリカ)の米国立公文書館やアメリカ議会図書館、東京の国立国会図書館や宮内庁公文書館、海洋情報部などでの調査を予定した。 しかし、新型コロナ禍の影響や所属校の意向により、予定していた国内外の調査を全く実施することができなかった。そのため、2020年度に引き続き2021年度についても当初の計画に従って研究活動が実施できないと判断し、最終的には自粛することとした。それは、採用された研究計画を安易に変更することは避けるべきと判断したからであった。そのため、2021年度は、研究計画の準備作業として、関連する文献の収集や過去に調査した関連資料の整理作業、関連テーマに関する研究成果の報告(雑誌論文や書籍)にとどまることとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度に予定した研究計画は、2020年度と同様、ほとんど進展することができなかった。それは新型コロナ禍の影響を受け、基本的な作業と位置付けた国内外での調査活動を実施できなかったからである。しかし、今後の終息時期の見通しが難しく、また、採用された計画を安易に変更することを避けたほうがよいと判断したことから、主な活動を自粛せざる得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の基本作業は、国内外の機関における資料調査となっている。特に主な調査先として、イギリス(ロンドン)とアメリカ(ワシントンDC)を予定していることから、新型コロナ禍が終息しない限り、その実施は難しい。ともかく、現時点(2022年5月)では勤務校から許可を得るのが難しい状況のままとなっている。そのため、2021年度の新型コロナ対策の今後の状況の推移を踏まえつつ、2022年度における海外調査の実施が困難と判断された場合には、研究期間の延長や調査対象地の変更などの対応を検討することとしたい。そのため、当面は調査対象機関のホームページのデータベースを活用した調査、関連文献の収集など、調査の準備作業を進めつつ、作業内容を慎重に検討したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が多くなったのは、基本的な作業と位置付けた主に国外での調査活動が新型コロナ禍の影響を受けて全く実施できず、2020年度から2021年度に予定した研究計画がほぼ進展できなかったからである。今年度についてもしばらくはコロナ禍による状況が落ち着かないと予想されており、年度の後半になっても状況が改善されないようであれば、研究期間の延長も視野に入れて自粛をするか、研究テーマの範囲内での変更や研究テーマの遂行の断念を検討したいと考えている。今後の状況の推移を確認しつつ、今年度の方針を慎重に検討することとしたい。
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