研究課題/領域番号 |
20K01169
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
古田 昇 徳島文理大学, 文学部, 教授 (30299333)
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研究分担者 |
中条 義輝 徳島文理大学, 文学部, 教授 (10124108)
川瀬 久美子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (40325353)
新見 延安 徳島文理大学, 人間生活学部, 教授 (80773762)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | GIS / ESD / 防災教育 / 自然環境 / 人間活動 / 中山間地 / 灌漑 |
研究実績の概要 |
新型コロナの影響を受け、感染予防対策を万全に慎重に進めた。内外の協議等は可能な限り通信環境を用いてリモートでおこない、またそのための環境整備に重点を置いた。緊急事態宣言が解除され、講義も対面が再開されたあと、少しずつ調査・資料収集を開始した。具体的には、6月に香川県の水土里ネット香川・香川県と協議し、高松地区の用水路についてのGISデータの提供と近世絵図の画像データ提供を受けた。また、下旬には岡山県高梁川の用水路現地調査、津山市・久米南町の棚田景観調査、8月は、高知県大豊町・檮原町の中山間地域調査と岡山県倉敷市の旧河川敷調査などを行った。秋から冬にかけて再びコロナウイルスが猛威を振るったため、対外的調査を控えたが、年度末の緊急事態宣言の一時解除の機会に岡山県吉井川の水路景観や兵庫県北条町の中心集落と周辺部の村落景観、加古川中流の高瀬舟の通行を阻害する自然的な岩盤露出部(闘竜灘)景観の記録などを行った。また、とくに中山間地域の時系列的な景観変遷調査に必要な、森林基本図の収集に努め、徳島県と香川県は、県担当と協議の上、電子データの提供を受けることができた。また、高知・愛媛の両県はマイラーベースの昭和30~40年代の基本図およそ1000枚の貸与を受け、徳島文理大の大型スキャナーを活用して電子化を行った。そのほか、中国地方5県の森林基本図は、郵送でデータ提供を受けた。近畿地方においては、京都府の森林基本図の収集を済ませた。今後これらを利活用し、研究目的達成のために一層調査研究を進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナの影響を受けて、研究分担者との合同調査ができていない。また、現地調査はある程度実施できたが、特に他県への調査は時期などを慎重に見極めながら、相手先の疑念を払拭できる環境が整うタイミングをみて行ったため、本務との関わりで計画から遅れている。資料収集は、中山間地の基本図の収集は順調に推移しているが、一部原図の収集に難点がある県がある。また、京都市および周辺郡部の近代の大縮尺図については、京都府立の資料館に所在が確認できたが、コロナの影響か、およそ1年間連絡がなく、2021年にはいってからようやく連絡があったが、私立大学所属のためか、高額の閲覧料を請求されているためこの部分の研究は全く進展していない。その他の森林基本図は原則無償提供をいただけているのと対照的である。今後協議を続けるか検討しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
京都の近現代の基本図は、研究遂行のための重要資料であるが,高額の料金請求は初めての経験であり、どのように対応するかによって研究計画の一定の変更も視野に入れなければならない。その場合、九州などを対象に加えることになるため、この地域の大縮尺図の収集を並行して始める。また、新型コロナの影響は依然として大きいが、社会情勢を見極めた上で、可能な室内作業や感染予防を万全にした現地調査も少しずつ進めたい。収集した地図については、GISデータとして整備できるように、準備作業を加速したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
大型スキャナー等の物品費を計上していたが、本年度は、新型コロナの影響もあり、部品等の供給は不安定でもあり、既存のスキャナーの調整で当初の電子データ作成を果たせたため、次年度以降に購入予定として繰り越しが生じた。また、現地調査や東京での学会が中止となった影響で旅費支出額も減少したため、次年度へ繰り越した。
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