研究課題/領域番号 |
20K01171
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梶田 真 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40336251)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 都市地理学 / 農村地理学 / 都市ー農村関係論 / モビリティ / 関係性 |
研究実績の概要 |
本年度もコロナ渦のため,研究活動に大きな支障が生じた. 当初予定していたオーストリア・チロル地方での現地調査については次年度も目処がたっておらず,日本での文献資料や統計での検討にも限界がある.残された研究期間(2年)を考えると,研究計画自体の抜本的な再構築を図らなければならない状況になっている. 国内での調査地である盛岡都市圏についても,コロナ禍に加えて地震による東北新幹線の脱線事故により東京からのアクセスが寸断され,春季休暇期間中の現地調査を見送らざるをえなかった.現地調査に向けた事前作業についても,2020年国勢調査の小地域統計が公表されたのは年度後半になってからのことであり,産業・職業に関する結果がまだ公表されていないため,作業は完了していない. 他方で,文献渉猟と既存研究の再検討については順調に進んでおり,本年度も国内外の農村地理学と都市地理学の幅広い文献の渉猟を進めると共に,EUの農村開発政策であるLEADER事業の総括を通じて,内発型開発に対する政策的介入の可能性と課題,そして農村地域の開発に対する都市住民のコミットメントについて考察を進めた.また,日本で人口の都心回帰現象の動きが出現して四半世紀が経過しているが,他方で田園回帰の動きも指摘されており,年度の後半より,双方の動きをつなぐ論理について考えるための文献渉猟に着手し,他の研究者との議論を重ねている.現地調査が遅れている状況を踏まえ,これらの知見を中心に次年度以降,成果公表を図っていきたいと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍および地震により,2年続けて十分な現地調査を行うことができず,国勢調査結果の公表が遅れたことで統計分析にも大幅な遅れが生じている.文献の渉猟と既存研究の再検討についてのみ予定通りに進捗している.
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の半分が経過し,海外調査の実施に目処が立たない中,抜本的な研究計画の再構築が求められている.オーストリア・チロル地方での調査を断念し,比較対象地域を国内に求めることも視野に入れている.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ渦によってほとんど現地調査を行うことできなかったため,十分な予算執行を行うことができなかった.このような状態が2年続いたことを踏まえ,研究計画の再構築を図りつつ,研究の遅れを取り戻してきたい
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