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2022 年度 実施状況報告書

都市と農村は収斂していくのか:研究展開の比較分析と事例研究を通じた検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K01171
研究機関東京大学

研究代表者

梶田 真  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40336251)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード都市地理学 / 農村地理学 / 都市ー農村関係論 / モビリティ / 関係性
研究実績の概要

本年度もコロナ渦のため,研究活動に大きな支障が生じた.
オーストリア・チロル地域での調査は今年も断念せざるをえず,研究内容の見直しを迫られている。国内での調査地である盛岡都市圏についても,インタビュー調査をはじめとした現地調査はほとんど行うことができなかった.
その一方でようやく2020年国勢調査の小地域統計が出揃い,この間の盛岡都市圏における社会変動についての定量的な分析を進めることができた.特に調査区・基本単位区レベルでの境界データおよび統計データの整備により,従来よりも詳細な地域変化を描き出すことができた.加えて,いわゆる「不詳」問題をはじめとした国勢調査の信頼性の低下の中で,これに代わる資料として登録ベースの人口統計である住民基本台帳の信頼性の問題について検討を進め,論文にまとめた.
分析の結果,特に注目すべき地域として浮上したのは滝沢市(旧・滝沢村)である.滝沢市については,人口5万人に迫りながらも長らく市への移行を行わなかった地域として知られるが,地元新聞・広報誌をはじめ,同市に関する包括的な資料収集を進めると共に各種行財政データの分析より,市制施行後に都市的な施設の建設や拠点性を意図したインフラ整備・施策が進められ,盛岡市のベッドタウンでありながら「村」でありつづけた頃と比べて政策の方向性が大きく変化していることが明らかになった.これらの知見を拠り所として,次年度の現地調査で関係者へのインタビュー調査などを行うことで、都市と農村の境界にある地域の動きを通じて,現代社会における都市と農村の関係についての理解を深めていきたいと考えている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ禍により,3年続けて十分な現地調査を行うことができなかったため.

今後の研究の推進方策

新型コロナ感染症の5類移行を受けて,本格的な現地調査に入れる目処が立ったが,十分な調査期間を確保するため,可能であれば研究期間を1年間延長したいと考えている.研究計画のうち,オーストリア・チロル地域での現地調査は時間的な問題から断念し,かわりにGIS等を援用した空間分析により,事例分析(岩手県滝沢市)で得られた知見の一般性について検討していくことを計画している..

次年度使用額が生じた理由

主たる理由はコロナ禍によって十分な現地調査を実施することができなかったことにある.残された研究期間の制約よりオーストリア・チロル地域での海外調査を断念し,かわりに事例分析の知見を検証するための日本国内での定量分析を行う形に研究内容を再設計したいと考えており,そのための謝金・備品・データ購入を中心に使用することを予定している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 住民基本台帳人口は依然として不正確なのか?2023

    • 著者名/発表者名
      梶田 真
    • 雑誌名

      東京大学人文地理学研究

      巻: 24 ページ: 61-67

    • 査読あり
  • [図書] 地理学事典2023

    • 著者名/発表者名
      日本地理学会編
    • 総ページ数
      818
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      978-4621307939
  • [図書] 人文地理学のパースペクティブ2022

    • 著者名/発表者名
      竹中克行編著・竹中克行・遠城明雄・高橋誠・水野真彦・中澤高志・川端基夫・大城直樹・武者忠彦・山崎孝史・上杉和央・山村亜希・梶田真・若林芳樹著
    • 総ページ数
      306
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      978-4623094486

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公開日: 2023-12-25  

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