研究課題/領域番号 |
20K01174
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
澤 宗則 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40235453)
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研究分担者 |
南埜 猛 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (20273815)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 移民 / インド系移民 / ネパール系移民 / ディアスポラ / エスニシティ |
研究実績の概要 |
今後南アジアからの移民が増大することが予想されるが、南アジアの移民たちは、出身地域の経済的状況、言語も宗教も異なるため、エスニシティに基盤を置いた個別の移民ネットワークを形成している。移民のネットワークの形成プロセスも、ホスト社会で自分たちの社会関係資本を獲得・利用するエスニック戦略もそれぞれ大きく異なる。 澤 宗則(2020):インド人IT技術者と商人-東京と神戸の対比、移民・ディアスポラ研究 9、pp.146 - 155を論文発表した。 澤 宗則, 南埜 猛(2020):インド料理店によるトランスナショナルな領域化ーネパール人のエスニック戦略を中心に 2020年度 現代インド地域研究 広島大学拠点 HINDAS 第3回 研究集会 2020年9月11日 招待有り、南埜猛, 澤宗則(2020):日本語学校によるトランスナショナルな領域化ーネパールからの留学を斡旋するネットワークの 視点から 2020年度 現代インド地域研究 広島大学拠点 HINDAS 第3回 研究集会 2020年9月11日の2本の口頭発表を行った。 関東・関西・北陸・中京・福岡・沖縄での南アジア系移民社会の聞き取り調査、南アジア系移民の各料理店やスパイス食材店のエスニック戦略および料理人のリクルートについて経営者と料理人に聞き取り調査を行った。 エスニック研究における社会理論の構築、グローバル化による空間の再編成と移民との関連、「エスニック戦略とトランスナショナルな領域化」の論点において研究史を総括した。 南アジアの各エスニック集団の組織や各宗教施設などの資料、各自治体、日本および南アジア各国政府の統計データの分析を行う。移民のグローバルな展開と、日本国内での集住地域の形成過程、出身地域の地域変化について明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
澤 宗則(2020):インド人IT技術者と商人-東京と神戸の対比、移民・ディアスポラ研究 9、pp.146 - 155を論文発表した。 澤 宗則, 南埜 猛(2020):インド料理店によるトランスナショナルな領域化ーネパール人のエスニック戦略を中心に 2020年度 現代インド地域研究 広島大学拠点 HINDAS 第3回 研究集会 2020年9月11日 招待有り、南埜猛, 澤宗則(2020):日本語学校によるトランスナショナルな領域化ーネパールからの留学を斡旋するネットワークの 視点から 2020年度 現代インド地域研究 広島大学拠点 HINDAS 第3回 研究集会 2020年9月11日の2本の口頭発表を行った。以上合計3本の発表を行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
インド人経営のIT企業でIT技術者の派遣プロセスを聞き取る。インド人学校を誘致した横浜市政におけるインド資本の誘致政策の動向とその成果について市役所とインド系IT企業への聞き取り調査を行う。インド人集住地の東京都江戸川区・江東区に複数立地するインド人学校やネパール人集住地域の杉並区のネパール人学校、都内のインターナショナルスクールは、同一市場において高度なカリキュラムを商品に生徒獲得の競合状態である。また、各政府のカリキュラムか国際標準カリキュラム(ケンブリッジやバカロレア)をとるかの違いもあり、生徒の親のアイデンティティが反映される。2018年に中古車輸出業のパキスタン人によって設立された兵庫モスクは西日本唯一のイスラム宗教学校(マドラサ)を設立させた。この点で、母国から離れた学校はどのようなカリキュラムでどのようなアイデンティティを形成させようとしているのかの視点も重要となる。また移民の個人史の聞き取り調査をおこない、出身地・第3国(移民を多く受け入れている地域:例えばUS、湾岸諸国、オーストラリア、マレーシア、東アフリカなど)との関連性を聞き、エスニック戦略とトランスナショナルな領域化のプロセスを明らかにする。ネパール人留学生を多く受け入れてきた新宿・東海・関西・福岡・沖縄の日本語学校での留学生のリクルート方法、留学生の出身地での状況、アルバイト・進学先・就職先を学校関係者および留学生に聞き取り調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は新型コロナ感染の蔓延により、フィールドワークを十分に行うことができなかったため旅費の支出が予定より少なくなった。次年度は、昨年度行うことができなかったフィールドワークも併せて行う予定である。
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