研究課題/領域番号 |
20K01182
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
土屋 純 関西大学, 文学部, 教授 (80345868)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | インド / デリー首都圏 / ムンバイ大都市圏 / ショッピングモール / 消費市場 |
研究実績の概要 |
本研究では、インドに数回にわたって渡航し、ジュエリー産業についてフィールドワークを実施して研究していく予定であったが、2020年度から2022年度にかけてコロナ禍によって渡航することができなかった。ジュエリー産業の実態を解明するためには、詳細なフィールドワークが必要であるが、残された研究期間を考えると研究を完了させることが困難と考えた。そこで、研究計画とは異なるが、デリー首都圏とムンバイ大都市圏を対象としたショッピングモールの立地展開と消費市場の変貌に関する研究へと転換し、繰り越された研究費をショッピングモールの構成とテナント入居状況に関するデータ購入に充てた。 なお2000年代におけるデリー首都圏のショッピングモールの実態については土屋(2013)で報告しているので、2023年度の調査・分析では、2020年代初頭における状況の分析を行った。その結果、デリー首都圏南部の新興開発地域で、外資系企業が多く、富裕層が多く居住しているグルグラム(グルがオン)の大規模モールを中心として、ファストファッションなどのグローバルブランドだけでなく、家電やファッションなどの大型店も出店していることが把握された。そうしたショッピングモールでは週末になると多くの中間層・富裕層の顧客が来店していることが確認された。規模が多く、富裕層が多い地域で、交通アクセスの良い場所に立地しているショッピングモールが活況となる一方、中小規模のモールでは空きテナントが増えるなど、外資系ブランドを中心として撤退が見られることが確認された。このようにショッピングモール間で盛衰の差が出てきたのが2020年代初頭の特徴である。 2024年度はムンバイ大都市圏の分析を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020、2021、2022年度はコロナ禍のため、インドに渡航することができず、十分な調査ができなかった。2023年度は、デリー首都圏とムンバイ大都市圏のショッピングモールの構成とテナントの入居状況に関するデータを購入し、主にデリー首都圏におけるショピングモールの発展状況について分析した。2024年3月に日本地理学会で研究発表を実施したが、ムンバイ大都市圏の分析ができていない状況である。2024年度に研究期間を延長しているので、残された研究課題を遂行したい。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、ムンバイ大都市圏におけるショッピングモールの発展状況について調査分析したい。購入したデータをGIS(地理情報システム)で分布図等で表現して、発展状況を分析するとともに、その結果を現地で観察するため、2024年度内にインド・ムンバイに渡航して、現地調査を実施したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究はインドに渡航し、現地調査をすることをメインとしているが、コロナ禍のため現地調査の回数が少なくなってしまった。そのため2023年度予算を使い切ることができなかった。2024年では、残された研究費を基として、ムンバイに出張し、ムンバイ大都市圏におけるショッピングモールの実態調査を実施したい。
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