研究課題/領域番号 |
20K01198
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
中島 成久 法政大学, その他部局等, 名誉教授 (80117184)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 先住民族 / 土地紛争 / アブラヤシ農園開発 / 共有地権 / 資源利用 / 熱帯林 / 委託林 / 産業造林 |
研究実績の概要 |
2022年度も新型コロナの流行によりインドネシアでのフィールドワークは実施できなかった。その代わりに、これまでのインドネシア研究を整理し、内外に発信するために、ホームページの作成を行なった。言語は日本語、英語、インドネシア語の選択ができるようにしている。 内容は、プロフィール、主要著作、フィールドワーク紹介である。科研費を得て研究を行った過去のインドネシア・スマトラ島でのフィールドワークをテーマ別に整理し、その研究テーマにふさわしい10数点の写真を選び、簡単な説明を付けた。研究テーマは、アブラヤシ農園開発、狩猟採集民オラン・リンバ、母系社会ミナンカバウの土地、共有地と水紛争、アブラヤシ農園開発、違法入植などで危機に瀕するクリンチ・スブラット国立公園、学部ゼミ生を引率して実施した北スマトラ州、ランポン州などでのオランウータン保全活動、野生ゾウ保護活動などに関する研究旅行報告などである。また、短いブログを書き、研究課題に関する簡単なコメント、新しい見方、将来展望などについて最新の情報を交えて発信するよう努めている。 さらに、研究課題に関する文献を購入し、その分析を継続して実施している。 こうした活動のほかに、研究課題と深いレベルで関連する屋久島での委託林の資源利用に関する論文、「屋久島前岳部の委託林――その資源利用の変遷」を屋久島学ソサエティの会誌に発表した。この論文はインターネット上に公開されていないため、自身のホームページ上で読めるようにしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため予定していたインドネシア・ジャンビ州の狩猟採集民族のオラン・リンバの土地権に関するフィールドワークができていないためである。 その代わりに、過去の研究を整理し、インターネット上で全世界に発信するためにホームページを作成した。これまでに、5000人の訪問を受けている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2021年度学術振興会の出版助成金を得て出版した『アブラヤシ農園開発と土地紛争――インドネシア、スマトラ島のフィールドワーク』(2021年9月刊行、法政大学出版局)の第3章、「狩猟採集民族オラン・リンバの土地権、巨大アブラヤシ企業への抵抗と生存戦略」を再編集し、英文論文としてまとめることを行なう。英文の校閲料を支払うことになるが、インドネシアのカウンターパートであるWARSI(インドネシア環境情報フォーラム)にも草稿をチェックしてもらう予定である。 また、コロナ感染の状況がインドネシア側でも好転すれば、インドネシアを訪問し、関係者と意見交流を行なう予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ流行のためインドネシアでのフィールドワークができなかったため、英文の論文を執筆することにした。その校閲料に30万円、ラップトップ型PCの購入費に20万円、その他文献購入に23万円を充てる。
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