本研究は、外国にルーツを持つ発達障害児の親が、日本における発達障害の医療・福祉的言説や社会福祉の支援をどのように活用し、子育てを経験するのかを明らかにするものである。 これらの実態を把握するため、外国人移住者が集う地域の健康相談会等で参与観察とインタビュー調査を行った。外国籍の国内在住者のなかでも、不就学児の保健医療サービスの不足、およびその保護者の不安定な雇用状況や日本語の習得状況が医療アクセスへの障壁となることを見出した。加えて、放課後等デイサービスで調査も行い、言語の壁に直面する発達障害児童とその保護者が、放課後等デイサービスを希求する様子や、進学先をめぐる葛藤問題を確認することができた。
|