研究課題/領域番号 |
20K01206
|
研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
松川 恭子 甲南大学, 文学部, 教授 (00379223)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | インド・ゴア / 自己語り / 複数メディアを活用した教育と発信 / 人類学的実践研究 / デジタル・ストーリーテリング / オートエスノグラフィー |
研究実績の概要 |
本研究は、インド・ゴア大学社会学科で、故Alito Siqueiraが修士課程卒業生たちに推奨した自己語りを通じた教育/複数メディアによる発信に申請者が関わる人類学的実践研究を行うものである。インド・ゴア州に渡航して実施する予定であった調査が新型コロナウィルス感染症拡大により不可能になったため、以下3点を中心に研究を進めた。(1)「自己語り」という営為を通して可能となる個人と社会の変革が実際にどのような手法で行われているのかを明らかにするための先行研究及びインドの高等教育に関する先行研究のレビュー、(2)ゴア社会における「自己語り」の特徴をこれまで収集した調査データから確認する作業、(3)現地の研究協力者との意見交換。(1)の先行研究のレビューでは、オートエスノグラフィー関連の文献を中心に検討を行った結果、例えば、アメリカの教育現場においてパフォーマンスを活用した自己語りを通して自己を社会の中に文脈化するとともに他の参加者とつながるといった実践が行われていることがわかった。また、インドの高等教育においてカーストを原因とする格差の問題が存在することを確認した。(2)では、ゴア社会における独特な語りの方法である演劇ティアトルの現状分析を、歴史やトランスナショナルな人の移動による変化に着目してまとめるとともに、インドにおける高等教育の現状を湾岸アラブ諸国のインド系移民の子女を含めて理解することに努めた。(3)により、インドへの渡航がしばらく見込めない中、インターネットを活用して今後の研究の遂行を行う準備を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症による渡航制限のためにインドに渡航できず、現地で予定していたワークショップや聞き取り調査を実施することができなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
インドにおける新型コロナウィルス感染症の収束の見通しが依然として立たないため、現地に渡航して実施する予定であったワークショップや聞き取り調査をインターネットを活用して実施することとする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していたインドへの渡航が実施できず、旅費を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。現状では現地の新型コロナウィルス感染症の収束が見込めないため、インターネットを活用した調査に切り替えていく予定にしており、そのために必要な設備を構築するための物品購入に使用する予定である。渡航が可能になれば旅費として使用する。
|