研究課題/領域番号 |
20K01206
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
松川 恭子 甲南大学, 文学部, 教授 (00379223)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | インド・ゴア / 自己語り / 複数メディアを活用した教育と発信 / 人類学的実践研究 / デジタル・ストーリーテリング / オートエスノグラフィー |
研究実績の概要 |
研究課題を開始した2020年4月からコロナ禍のためにインドへの渡航が叶わず、2021年度も引き続きオンラインで現地とのやり取りをせざるをえなかったが、2022年度はインド・ゴア州に渡航して現地調査を行うことができた。 2022年9月16日に渡印し、現地滞在5日間と短い期間であったが、ゴア大学社会学科の教員であった故Alito Siqueiraの教え子4人に対して(1)彼が実践した教育方法、(2)彼の教育方法が自身の人生に与えた影響の2点を中心に聞き取り調査を行った。また、修士課程の学生たちが自身の置かれた社会的立場を振り返る形で執筆した修士論文を改稿して取りまとめた論集であるHanv Konn: Re-searching the Selfの出版チームとしてSiqueiraの死後に書籍として出版を成し遂げた友人3人にSiqueiraとの関わりについて聞き取りを行った。今回の調査により、以下2点が明らかになった。一つめは、学生たちが自身に関わる問題(例えば部族出身者にとっての差別)を語り、その過程で自身の問題を社会学的問いに変換していったことと、その問題を教員となった現在も問い続けていることである。二つめは、多くの部族出身の学生たちと関わるなかで、Siqueiraが晩年にゴアにおける留保政策をめぐる問題(例えば留保政策の対象となる部族出身者に割り当てられた教員ポストの公募が適切に実施されてこなかったこと)を解決するための運動に身を投じていたことである。 調査により明らかになったことをまとめ、日本南アジア学会全国大会で報告するとともに、大学の紀要に論文の形で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでコロナ禍でインドに渡航して調査を行うことができず、オンラインで現地とやり取りしていたのが、現地で聞き取り調査を行うことができたため。また、その調査の成果を論文の形で発表することもできた。
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今後の研究の推進方策 |
Alito Siqueiraが実践した教育方法をワークショップの形で現地で行うという当初の計画が実施できていないため、現地の研究協力者と連携して実施に向けて進めていく。Alito Siqueiraの教育方法を振り返るデジタル・ストーリーテリングのワークショップを実施することを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究期間の最初の2年間、コロナ禍のため渡航しての調査が叶わなかったため、その間に予定していた現地調査のための旅費が未使用であるため。2023年度に渡航するとともに、研究期間を延長して再度渡航することも考えている。
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