研究課題/領域番号 |
20K01206
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
松川 恭子 甲南大学, 文学部, 教授 (00379223)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | インド・ゴア / 自己語り / 複数メディアを活用した教育と発信 / 人類学的実践研究 / デジタル・ストーリーテリング / オートエスノグラフィー |
研究実績の概要 |
本課題は、ゴア大学社会学科の元教員である故Alito Siqueira教授が修士課程卒業生たちに推奨した「自己語り」を通じた教育/複数メディアによる発信の方法を振り返り、彼の教え子と協働して更なる展開を図るものである。今年度はSiqueiraの教え子たちに対して昨年度に実施したインタビュー調査を踏まえ、自己語り/複数メディアを活用した発信の実践をどのように行っていくのかを現在ゴアで教員として高等教育に携わるSiqueiraの教え子たちと検討した。2023年9月13日~20日の日程でゴアに滞在し、Siqueiraの教え子が勤務するRosary College of Commerce and Arts及びGoa Universityと協働してプログラムを実施する計画を立てた。Rosary CollegeのDepartment of Sociologyと本課題の研究代表者である松川が所長を務める甲南大学国際交流センターの共催で2024年3月にオンライン・プログラム”Perceiving Cultures: India-Japan Cross-Cultural Interactive Program”を2回にわたって実施した。プログラムでは両校の学生が「自分たちの社会・文化について語る」方法を取り入れ、学生同士が互いの社会・文化について理解を深めることができた。また、もう一人のSiqueiraの教え子でゴア大学所属の教員が収集した、部族の間に伝わるコーンカニー語歌謡を英語に翻訳し、子ども向けの絵本として広く発信する計画を立て、その第一段階として歌謡の翻訳作業に着手した。 さらに、昨年度に実施した聞き取り調査で収集したデータの分析作業及び文献レビューを継続して行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自己語り/複数メディアを活用した発信の実践をどのように行っていくのかを現在ゴアで教員として高等教育に携わるSiqueiraの教え子たちと検討し、今後の方針を定めることがでっきたため。
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今後の研究の推進方策 |
Alito Siqueiraの教育実践を応用し、コーンカニー語歌謡を絵本にして発信するための実践的ワークショップを実施する予定である。本課題を始めた当初計画していたSiqueiraの教え子とともに彼の教育実践を振り返るデジタル・ストーリーテリングのワークショップについては、教え子たちが一堂に会する機会を持つことが難しくなったため、教え子たちにインタビューを実施し、動画として記録することを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本課題を開始した2020年度及び2021年度にコロナ禍でインド渡航ができず、オンラインで研究を進めたため、助成金を使用することができなかった。2022年度、2023年度に続き、2024年度はインドに渡航するための費用として助成金を使用する予定である。また、現地でのワークショップ・プログラム開催及びコーンカニー語歌謡を絵本として発信する準備のための費用としても助成金を使用する。
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