研究課題
基盤研究(C)
本研究は、沖縄県名護市辺野古の基地建設の進行に伴って、熾烈化する抗議行動の最前線で、日本政府の暴力を受け、心身に傷を負い、抗議に行けなくなった人びとが、新たに勝負できる領域を模索するなかで見出した、<生き方としての基地反対運動>とでも呼びうる動きを積極的に掬いあげることを目指した。日本政府の暴力によって、従来の運動の限界に立たされた人びとが、これまでとは異なる闘い方を見出し、自らの生き方を通して変革の方途を切り出していく様が明らかとなった。
文化人類学
本研究では、名護市辺野古で、基地建設が強行されている状況で生じている、新しい基地反対運動の展開を明らかにすることで、一活動家に限定されない、多様な動植物の生や地域住民の暮らしや生き方と一体となった運動の射程の広さを可視化し、地域社会の平和と野生動物や自然環境との共生の道を模索するものである。その意味で、本研究の成果は、文化人類学や動物論、ならびに環境倫理学に対して学術的意義を有しているとともに、社会的意義を同時に持つものである。