研究課題
基盤研究(C)
市営弥永団地の間取りはDK6畳(4畳半)と4畳半、水洗トイレ、浴室という2DKの間取りで、食事をする部屋と寝室を別室にする食寝分離、夫婦とその子供の寝室を別室にする就寝分離がコンセプトで建てられた。弥永団地には例外的に3DKが3棟あるが、1969年から建設された城浜団地、1971年から建設された西区の下山門団地では3DKが主流であり、住宅政策の変更が明らかとなった。弥永団地の分譲住宅は500戸建設された。増改築が行われ、建築当初の住宅は数軒しかない。分譲住宅は約7割の住民は継続して居住しているのに対して、宅地分譲は約2割であること、高齢化率は44.3%と春日市で最も高いことが明らかとなった。
民俗学
弥永団地は1965年に公営住宅と分譲住宅の二つの異なるタイプの住宅が計画されたニュータウンである。前者は福岡市域に低所得者向きの五階建て2DKの賃貸住宅が一区~四区まで47棟・1,514戸建設された。後者は春日市域に分譲住宅240戸・宅地分譲地260戸が建設された。ブルーカラー住民の流動性が高い賃貸市営住宅と、ホワイトカラー住民の流動性が低い持ち家という異なる性格を持つニュータウンの生活史を明らかにしたことに学術的意義がある。