研究課題/領域番号 |
20K01216
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
池田 光穂 大阪大学, COデザインセンター, 名誉教授 (40211718)
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研究分担者 |
山崎スコウ 竜二 大阪大学, 先導的学際研究機構, 特任講師(常勤) (10623746)
井上 大介 創価大学, 文学部, 教授 (20511299)
徐 淑子 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (40304430)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | インターネット / スマートフォン / ナルシシズム化 / 新しい孤独 / コミュニケーション / 現実と仮想 / SNS / ネットいじめ |
研究成果の概要 |
デジタル・ネイティブである若者がスマートフォンを利用するなかで、(1)現実と仮想のソーシャル・ネットワークの動態の現状について調べ、(2)仮想コミュニケーションの増大ははたしてユーザーのナルシシズム化と「新しい孤独」を生んでいるのかという疑問について答えるために、民族誌などの手法を使って、普遍的共通性と文化的多様性の特性を調査分析した。その結果、SNS依存とよばれる現代人においても情報の相互交換という意味での現実コミュニケーションの総量もまた増加しているということが、明らかになった。「新しい孤独」とは、状況的葛藤を実践的に回避するためのコミュニケーションの様式なのである。
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自由記述の分野 |
文化人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、生まれた時からタブレットやスマホ端末と共に生活している若者たちは、Z世代あるいはi世代と呼ばれているが、彼らがインターネットワーク環境を利用することで、それ以前の親の世代や教育関係者あるいは行政が危惧するようなナルシシズム化や「新しい孤独」が、先鋭化された形では実際にはおこっていないことを明らかにした。ただしこのようなSNSなどを使ったいじめやハラスメントに対するこの世代以降の心理的抵抗力(レジリエンス)は、それ以前の世代による教育を通した介入によって食い止められているにすぎない、ことにも留意すべきであろう。
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