研究課題/領域番号 |
20K01218
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
中 朋美 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (60707058)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 寄付 / パンデミック / モラリティー / キリスト教 |
研究実績の概要 |
令和3年度も昨年度に引き続き、新型コロナウィルス感染症の影響をうけ、現地での調査が不可能となった。そのため当初予定していた現地での観察や聞き取り調査が実行できない状態となり、主にオンラインでの代替の調査方法を用いながら研究を進めた。 幸い、限定的ながらオンラインでも現地の教会や教会関連行事に参加可能な状況が継続した。しかし、現地での新型コロナウイルス感染症の状況改善に合わせ、オンラインでは参加できない行事が徐々に多くなってきており、また聞き取り調査の参加者集めが難しい場面もあった。そんな中、オンラインでの機会をできるだけ利用して、さまざまな活動に引き続き出席し、教会員との信頼関係の確立に努めた。 こういった調査をもとに、今年度までの調査を一部まとめ、パンデミック中でどのように教会の人々が対応し、自分たちの宗教的なビジョンや活動を振り返っているかをまとめた論文(地域学論集18号2巻にて掲載)を発表した。 2022年2月からは、徐々にではあるが、寄付や教会活動等についての個別のインタビューをzoomなどのアプリを活用しながら開始した。研究での協力をえるのに時間がかかっていおり、思うような進度ではないが、調査を進めている。これをもとに、今後は国際学会等での発表等を予定している。 令和4年度も新型コロナウィルス感染症の影響により、現地調査は困難となったり、急な予定変更が必要な場面がが予想される。そのようなことに対応しつつ、可能な研究のチャンスや成果の発表機会を利用しながら調査を続けていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度も新型コロナウィルス感染症影響を受け、海外渡航が不可能になった。このため現地(アメリカ、バージニア州)での参与観察や聞き取り調査を行うことができなかった。また継続的な新型コロナウィルス感染症拡大とその影響の深刻化により、牧師等の休暇があったり、教会活動の一部の休止があったりしたため、情報収集が困難となった時期もあった。これらを受け、当初予定していたようなスケジュールでの聞き取り調査等ができず、その分調査がやや遅れ気味である。一方、限定的ではあるが一部の教会活動が引き続きオンラインで開催され、それに参加することができた。そういった機会を利用することで現地の教会の様子を重点的に観察することができ、また徐々にではあるがオンラインによる聞き取り調査を開始でき、調査を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度春の段階において、研究対象地のアメリカの新型コロナウィルス感染症の状況は改善している。これを受け、対面での教会の活動の再開がなされた。このため、オンラインでの行事が縮小することが予想され、これに対応して今までの教会や関係者との関係を基盤に、徐々に多様な調査・観察の機会を探っていきたい。主に教会のスタッフや教会の人々と個別の聞き取り調査を進めていく予定である。並行して、今までの教会活動の観察データを分析し、教会での寄付やチャリティー、それらと多様な文化的、社会的な価値観の折衝の様子を考察する。またこれまでの研究成果を段階的にまとめ、学会等での発表に取り組み、他の研究者との意見交換をしつつ、研究の方向を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度は新型コロナウィルス感染症の世界的な拡大のため、海外渡航といった移動の制限が課された。このため現地調査で使用予定であった旅費等の執行は延期となった。令和4年度以降、新型コロナウィルス感染症の状況が改善しだい行う予定である。未使用の助成金はその際の旅費、資料分析費等で重点的にかつ計画的に使用する予定である。
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