研究課題/領域番号 |
20K01218
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
中 朋美 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (60707058)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 寄付 / モラリティー / キリスト教 / チャリティー / パンデミック |
研究実績の概要 |
令和5年度は新型コロナウィルス感染症の状況が落ち着き、それまではなかなか実施することができなかったアメリカでの現地調査を行うことできた。7月には2年に一度開催される教会関連イベントに参加し、そこでは教派団体全体の動向や教派内での課題を知ることができた。またアメリカおよびその他の国々からの各教会の代表者と直接会うことができ、また彼らの意見を聞くこともできた。8月から9月にはアメリカの複数の地域の教会を訪問し、牧師、教会スタッフ、さまざまな年齢の教会員と直接会うことができ、個別、グループでの聞き取りをすることができた。また教会によってはイベントに参加することもでき、観察や聞き取りなどを進めることができた。 加えて、前年度まで行っていたオンラインの教会関連行事(定例の礼拝、教会の総会など)の参加、観察を続けて行った。新型コロナウィルス感染症の状況の落ち着きとともに、これらの行事は縮小傾向にあるが、別の視点から現地の教会員の様子について調査することができた。 また令和5年度は今までの観察や調査資料を基に、教会の寄付をめぐる動きについて、American Anthropological Association/Canadian Anthropology Society Annual Meeting 2023 (2023年11月、カナダのトロント開催)などの国際学会にて、寄付の動向について発表を行った。これらの発表では今までの調査の結果を段階的にまとめ、さらなる課題や考察の方向について検討した。 令和6年度はこれまで行った現地調査などの資料を今までの調査と総合して、調査をまとめていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度までは新型コロナウィルス感染症の影響を受け、海外渡航には様々な制限があり、現地での調査が実質的に困難であった。しかし令和5年度は実地での調査を集中的に行うことができた。ただそれらの調査の分析にはまだ時間がかかるため、当初予定していたようなスケジュールよりはやや遅れ気味である。令和6年度は、今までの調査の結果とともに引き続き現地やオンライン等での調査を続け、総合的に考察を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、今までの現地やオンライン等での調査で得られた資料をもとに総合的な分析を進める予定である。同時に必要な際には随時、現地あるいはオンラインでの調査を継続する。またこれまでの研究成果をまとめ、学会等での発表に取り組み、他の研究者との意見交換をしつつ、研究の成果の確認をしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度まで新型コロナウィルス感染症のため、海外渡航の制限が課された。このためその期間は現地調査が十分にできず、使用予定であった旅費等の執行が遅れている。今後は新型コロナウィルス感染症の状況が落ち着き、未使用の助成金を資料収集、分析、そして成果発表(資料整理、英文校正、学会発表のための旅費等)にかかわる費用に使用する予定である。
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