研究課題/領域番号 |
20K01227
|
研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
平井 芽阿里 中部大学, 国際関係学部, 准教授 (70590438)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 合格祈願 / 沖縄 / 学校 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、これまで民俗学の中心的議論となってきた伝承概念を再構築し「学校のフォークロア」という新たな理論実践モデルを提示することである。方法としては〈現代〉沖縄を主な調査対象とし、東アジアの中に位置付けることによって、〈過去〉の伝承概念では説明のできない伝承母態の変容を〈現代性〉と〈場所性〉に着目し再考察する。事例として取り上げるのは、本来宗教とは無関係であるはずの〈学校〉という場で実践される地域文化伝承であり、具体的には学校で行われる祭祀儀礼、祈願、学校で祀られる神々、地域行事やPTA活動、教員組織の実態を対象とする。これにより、伝承母態の変容を近代化による衰退と見なす視点ではなく、コミュニティの生成と再編成の過程であると捉え、今まさに生きられている現実の生活世界の中から新たな伝承概念をモデル化する。そして「学校のフォークロア」を提唱することによって「地域学校融合型社会」の知の伝承のあり方を理論化する。 2020年度は、移動が制限される中での調査となったが、可能な範囲内として愛知県内の神社、寺での現地調査を実施した。また三重県、沖縄県での現地調査を実施するとともに、これまでの先行研究の整理及び把握を行なった。成果については次の2点を挙げることができる。1、従来の固定的な合格祈願のあり方に限らず、現代的で多様な合格祈願が実践されていることを明らかにし、報告としてまとめ発表した。2、沖縄地域での多様な信仰のあり方について明らかにし、成果について学会発表を行なっただけでなく単著として刊行した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響により国外への移動が規制されたため、当初予定していた韓国、台湾での実地調査を行うことができなかった。また、日本国内、特に沖縄地域についても、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの国内の状況を考慮した結果、計画通りには調査を行うことができず、全体的に遅れが出ている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は先行研究の把握など文献資料調査を中心に行いながら、移動可能な範囲内での調査も継続していく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響によって国内外の移動が制限されたため。
|