研究課題/領域番号 |
20K01231
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研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
生月 亘 関西外国語大学, 英語国際学部, 准教授 (90300285)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | interculturalidad / 二言語異文化間教育 / キチュア / アンデスの世界観 |
研究実績の概要 |
「現代アンデス文化の世界観の研究」課題のもと、「先住民の語り」に焦点を当て、先住民教育による「Interculturalidad(異文化間交流)」と「応用人類学」の意義と役割に関して研究を進めていった。 今年度は、世界中が新型コロナウイルスの影響のため、海外渡航が全面的に不可能であった。そのため文化人類学の研究に必要不可欠なフィールドワークの実施が実質不可能な状況であった。しかしながら、可能な限り文献研究を中心に進め、コロナ禍以前までの研究の動向などを調査し、今後、フィールドワークが再開可能になった時に向けての準備を行った。インターネットを活用し、現地の資料収集、オンラインを通じてフィールドワークの可能性などの模索も行った。 フィールドワークによる現地調査は、現在の「先住民の語り」を調査する上で、重要な資料収集である。しかしながら、先住民教育の分野では、学校教育や教科書等、通常の学校教育にアクセスできない生徒のために、すでに今までも現代テクノロジーを駆使し、オンライン授業を試行錯誤していた。そこで、「現代アンデス文化の世界観」の研究のテーマに照らし合わせても、オンラインによる授業を受けながら先住民村の共同体をどのように維持、発展させようとしているのか、また、現代テクノロジーと古代から続く「アンデスの世界観」をどのようにバランスよく継続しているのか、新たな視点の分析も必要となった。現地でのフィールドワークが困難な状況で、まさに現代のテクノロジーを活用しながら、現代と古代の融合を視野に入れながら継続的に研究を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、世界的な新型コロナウイルスの問題のため、海外渡航によるフィールドワークが実質不可能であった。そのため、文献等だけでは得られない、現地の「先住民の語り」の詳細な調査や、共同体での参与観察、先住民文化関連の博物館の視察など、「先住民の語り」や「先住民性の表象」の分析に必要な資料収集等を実施することが十分に行うことができなかった。 オンライン上で得られる資料や情報には限界があるが、可能な範囲でインターネットを活用し、現地資料の収集や、現地のインフォーマントともコミュニケーションを取り、オンライン上で可能なフィールドワークの実践の可能性を試みた。
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今後の研究の推進方策 |
現在、世界中の新型コロナウイルスの問題により、海外調査が実質不可能な状況である。そこで、海外渡航が可能になるまでは、文献研究を中心にしながらも、フィールドワークによる参与観察の代替策として、インターネットを積極的に活用し、オンラインによるフィールドワークの可能性を模索していく予定である。限定的ではあるものの、アンデスの世界でもインターネットはかなり広く普及しているため、近代的テクノロジーをどのように活用し、伝統的な世界観とのバランスを取っているのか、オンラインによるフィールドワークを進めていく予定である。暫定的にオンラインを通して、現地の先住民とコミュニケーションを取り、現地の文化人類学者ともオンライン上の学術交流を深めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、新型コロナウイルスの影響のため、海外渡航によるフィールドワークが不可能となったため、海外調査による出張費が未使用となった。次年度以降に海外渡航が可能になった時に、海外調査費として使用する予定。
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