研究課題/領域番号 |
20K01233
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研究機関 | 福岡女学院大学 |
研究代表者 |
徐 亦猛 福岡女学院大学, 国際キャリア学部, 教授 (00638265)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 中国内地会 / 宣教師 / キリスト教 / 中国少数民族 |
研究実績の概要 |
2021年度において、西洋伝道会である中国内地会の伝道活動を解明するため、オーストラリア・メルボルン神学校所属の中国内地会の資料調査を行い、OMF(国際福音宣教会の前身は中国内地会である)において、所属の宣教師にインタビューし、アダムとフレーザーに関する情報収集を予定していたが、コロナウイルス感染の拡大や緊急事態宣言などに伴い、海外移動は大きく制限され、オーストラリアでの資料調査はできなかった。その代わりに、手元に限られている西洋伝道会の資料を解読し、中国少数民族地域における中国内地会や英国循道公会の宣教活動について、少し解明した。20世紀初期において、少数民族は平地の漢民族からの政治と経済の抑圧に苦しんでいた。その時英国循道公会及び中国内地会に所属した宣教師が雲南省の少数民族の間で宣教活動を始めたことが集団改宗運動を引き起こす歴史的背景となった。中国の少数民族にとって、キリスト教は抑圧された少数民族としての自分の苦難の経験に対して説明と救済の可能性を与えると認識した。また、西洋伝道会は、伝道(教会の設立)、医療(診療所の設立)、教育(学校の設立)などの分野における様々な文明活動を通して、少数民族社会の精神生活と物質生活を改善させ、少数民族の間に確固とした基盤を作り上げたことを明らかにした。その研究成果は福岡女学院大学紀要において、発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度コロナウイルス感染の拡大や緊急事態宣言などに伴い、海外並び国内の移動は大きく制限され、資料調査やインタビューなどの実施はできなかった。手元に限られている西洋伝道会の資料を解読し、西洋伝道会の活動について、少し解明したが、これから更に一次資料を収集し、OMFの宣教師にインタビューを行い、中国内地会の伝道活動の実態を明らかにする。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度のコロナウイルス感染状況を見ながら、オーストラリア、英国、米国の図書館に赴き、一次資料の閲覧と複写をし、OMFの宣教師にインタビューを行う予定である。もし昨年と同じく欧米の渡航は大きく制限されれば、感染状況が比較的に落ち着いている台湾、シンガポールのキリスト教関連団体の図書館の資料調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度コロナウイルス感染拡大や非常事態宣言などに伴い、移動は大きく制限されていたため、英国、オーストラリアの大学図書館への資料調査はできなかった。当該助成金の未使用額が生じた。次年度において、ワクチン接種によるコロナウイルス感染状況の改善や欧米渡航の緩和を見込んで、英国、オーストラリアの大学図書館への資料調査を実施するため、次年度分として請求した助成金と合わせて使用する。
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