研究課題/領域番号 |
20K01233
|
研究機関 | 福岡女学院大学 |
研究代表者 |
徐 亦猛 福岡女学院大学, 国際キャリア学部, 教授 (00638265)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 中国内地会 / 宣教師 / 中国少数民族 / リス族 / キリスト教 |
研究実績の概要 |
2022年度において、中国少数民族(リス族)と深い関りを持つ中国内地会所属英国宣教師J.フレーザーの活動事態を解明するため、英国ロンドン大学及びエジンバラ大学へ資料調査を行う予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、海外渡航は大きく制限され、英国での資料調査は断念せざるを得なかった。代わりに、日本国内の所蔵の『億萬華民』(China's Million)の資料を解読し、J.フレーザーの人物像とリス族地域において土着化宣教活動の努力について、少し解明した。土着化主義はJ.フレーザーのリス族伝道の中心原則であった。フレーザーにとって、現地教会の自立はとても大切であり、西洋伝道会からの経済援助は教会の自立の発展の妨げになると思い、教会が自立すれば、外部環境の変化の影響を受けず、もっと大きな活力を有することができるとした。そのため、フレーザーが現地の信徒の自立への配慮を示した諸策を次々と打ち出し、完全にリス族信徒の献金により、草ぶきの教会を建てたり、リス語の聖書は、リス族に無償で配られたのではなく、リス族はそれを手に入れるためには、対価を払ってもらったりした。その土地の教会は、如何に貧しくとも自前の力によって教会建設を進めるべきであるとするのがフレーザーの考え方であった。さらに現地教会の自立を実現するため、リス族伝道者の育成が必須であり、フレーザーはリス族伝道師を養成し、それぞれの教会の運営もリス族の指導者に委ねられたということを明らかにした。その研究成果はキリスト教史学会第73回全国大会及び東アジア交流史研究会に於いて発表し、研究論文として刊行した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度新型コロナウイルス感染拡大の影響により、海外渡航は大きく制限され、海外の図書館などへの資料調査はできなかった。日本国内の所蔵の資料を解読し、中国内地会宣教師J.フレーザーの人物像とリス族地域において土着化宣教活動の努力について、少し解明した。2023年度から新型コロナウィルス感染症が5類に引き下げ、水際政策も完全に撤廃する見通しになり、積極的に海外の図書館へ赴き、一次資料を収集し、中国内地会や所属宣教師の活動の実態を明らかにする。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度から新型コロナウィルス感染症が5類に引き下げ、水際政策も完全に撤廃する見通しになり、オーストラリア、イギリス、アメリカの大学図書館、宣教団体OMFインターナショナル(国際福音宣教会)の各支部の資料室へ赴き、資料の閲覧と複写をする予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2022年度コロナウイルス感染拡大により、海外渡航は大きく制限されていたため、オーストラリア、イギリス、アメリカの大学図書館への資料調査はできなかった。当該助成金の未使用額が生じた。2023年度から新型コロナウィルス感染症が5類に引き下げ、水際政策も完全に撤廃する見通しになり、オーストラリア、イギリス、アメリカの大学図書館、宣教団体OMFインターナショナル(国際福音宣教会)の各支部の資料室への資料調査を実施するため、次年度分として請求した助成金と合わせて使用する。
|