• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

地域文化の表象としての「箕」の形態に関する学際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01235
研究機関独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所

研究代表者

今石 みぎわ  独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 主任研究員 (80609818)

研究分担者 久保 光徳  千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (60214996)
植田 憲  千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (40344965)
松永 篤知  金沢大学, 資料館, 特任助教 (50805760)
桃井 宏和  公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (50510153)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード箕 / 編み組み技術 / 編組品 / 民俗技術
研究実績の概要

本研究は箕の形態の地域的多様性に着目し、民俗学・考古学・デザイン工学からのアプローチにより、箕の形態・機能と地域社会の在り方がどのように相互連関しているかを分析することを目的とする。2020年度は新型コロナウイルス感染防止の観点から、現地調査を中心に計画していた事業がほとんど実施できなかった。このため予定を変更し、1.文献調査 2.情報発信(研究成果の社会還元)などコロナ禍においても実施可能な下記の事業、および2回の研究会をリモート開催で行った。
1.文献収集
①文献研究の専門家である桂眞幸氏の協力を得、近世~近代における箕に関わる文献を網羅的に収集・整理した。対象としたのは「近世農書」「明治農具絵図」「明治七年府県物産表」「内国勧業博覧会資料」「農家副業ニ関スル調査」など。これにより、箕の産地の広がりや時代ごとの価格、流通範囲など、流通民具としての箕の実態について、その全体像を把握することが可能となった。 ②箕の製作技術等を記録した過去の調査映像(西日本の箕に関わる映像15件、新潟・青森の箕に関わる映像各1件)を収集した。 ③弥生時代前期以降、全国の遺跡から出土する箕について、文献を中心に情報を収集し、素材や地域性など、年代ごとのおおまかな傾向について把握した。

2.情報発信
①箕の素材や加工技術を中心に、研究成果を一般にわかりやすく発信する「箕のかたち―自然と生きる日本のわざ」展を開催した(汐留メディアタワー(共同通信社本社ビル)/ 2020(令和2)年12月2日~2021年1月28日) ②上記①の展示にあわせて開設したウェブページにおいて、編集した普及版映像および、既刊映像作品のうち公開許可を得たものを公開した。(現在13件の映像を公開中 https://www.tobunken.go.jp/ich/mi)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍の影響下でもできる限りの研究活動は行ったが、現地調査を基本とする学問分野において、フィールドワークおよび博物館等での悉皆資料調査が1件も実施できなかったことは大きな痛手である。
今後は感染状況の様子を見つつ、研究期間の延長も念頭に方針を検討する。

今後の研究の推進方策

①民俗調査 コロナ禍により実施できなかった現地調査(製作技術調査・箕振り動作の調査)および資料悉皆調査を状況を鑑みつつ推進する。
②考古学調査 1年目の文献調査に基づき、状況を鑑みつつ現地調査を行う。
③工学的調査 民俗調査(箕振り動作の調査)に随行し、モーションキャプチャによる動作解析を行う。また、資料悉皆調査にて箕の3D計測を行い、分析を行う。
④年2回の研究会を予定。
※①~③が実施不可能だった場合は資料調査に切り替え、文献の収集と整理、調査映像の収集や編集を実施する。

次年度使用額が生じた理由

2020年度は新型コロナウイルスの影響で現地調査・資料悉皆調査を実施できなかったため、次年度以降の調査費に充てる予定。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 その他

すべて 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [図書] 箕のかたち―自然と生きる日本のわざ2021

    • 著者名/発表者名
      今石みぎわ
    • 総ページ数
      14
    • 出版者
      東京文化財研究所
  • [備考] 箕のかたち 資料集成

    • URL

      https://www.tobunken.go.jp/ich/mi

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi