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2023 年度 実績報告書

地域文化の表象としての「箕」の形態に関する学際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01235
研究機関独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所

研究代表者

今石 みぎわ  独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 主任研究員 (80609818)

研究分担者 久保 光徳  千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (60214996)
植田 憲  千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (40344965)
松永 篤知  金沢大学, 資料館, 特任助教 (50805760)
桃井 宏和  公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (50510153)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード箕 / 編み組み技術 / 民俗技術 / 編組品
研究実績の概要

本研究では箕の形態の地域的多様性に着目し、民俗学・考古学・デザイン工学からのアプローチにより、箕の形態・機能と地域社会の在り方がどのように相互連関しているかを分析することを目的とし、以下のことを行った。
1. 悉皆調査 資料館等に収蔵された箕資料の悉皆調査として、8月に「奥畑正宏コレクション」(岩手県)約230点、「森本仙介コレクション」(奈良県)約70点について、研究分担者や協力者とともに計測、写真撮影、3Dデータ取得等の調査を実施。収集した情報や画像を整理し、一覧としてまとめた。
2. 円形箕との比較調査 主な研究対象である片口箕の比較対象として、奄美大島以南に分布する円形箕の調査を実施。11月に毛呂山歴史民俗資料館所蔵の円形箕の3Dデータを取得し、分担者である久保光徳氏(千葉大学)の協力を得て、円形箕および木積の箕(千葉)、面岸の箕(岩手)の流体解析を実施。それぞれの箕の構造的特徴や機能の差異を明らかにした。また翌3月には沖縄県名護市にて円形箕の製作技術および使用技術の調査を実施し、片口箕との製作技法、使用技術における相違点が明確になった。
3. 研究会等の開催 2023年5月12日(発表5本、参加者9名)、12月21日(発表5本、参加者13名)に研究会を開催。この他メーリングリストで随時情報交換を行った。
4.成果の公表 報告書『箕 自然を編む知恵と技』を刊行した。分担者を中心に様々な分野の研究者や作り手15名の方に論考・報告を執筆いただくとともに、悉皆調査の成果をとりまとめ、全国の片口箕産地一覧として160地域の情報を掲載した。さらに230点の箕のコレクションを有する奥畑正宏氏の調査ノートや、秋田市太平箕の箕作り職人・田口召平氏の収集資料なども採録した。また関連HP「箕のかたち資料集成」で製作技術の映像2本を公開。これで公開済みの製作技術映像は計14本となった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 地域に残された歴史的人工物の造形特性の解明 : 帰属判定と「作風」同定に向けて2023

    • 著者名/発表者名
      久保光徳、桃井宏和、高橋敦
    • 雑誌名

      月刊考古学ジャーナル

      巻: 784 ページ: 33-37

  • [学会発表] 「周辺分野から弥生時代の暮らしの編物について考える」2024

    • 著者名/発表者名
      松永 篤知
    • 学会等名
      下之郷史跡公園 弥生人養成講座 ―「弥生の技」―
    • 招待講演
  • [図書] 箕 自然を編む知恵と技2024

    • 著者名/発表者名
      今石みぎわ、松永篤知、久保光徳、植田憲、桃井宏和ほか
    • 総ページ数
      421
    • 出版者
      東京文化財研究所
  • [備考] 箕のかたち 資料集成

    • URL

      https://www.tobunken.go.jp/ich/research/mi/

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公開日: 2024-12-25  

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