研究課題/領域番号 |
20K01242
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小野 博司 神戸大学, 法学研究科, 教授 (70460996)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 満洲国 / 新京法政大学 |
研究実績の概要 |
本年度も前年度に引き続き、本研究課題の目的である満洲国において司法官を務めていた者(満洲国司法官)の渡満前、満洲国崩壊後の履歴の調査を行うために必要な、史料・文献の収集を主な目的として研究活動を行った。そのために、国立国会図書館(東京都)、法務図書館(東京都)などで調査を行った。その結果、満洲国司法部の職員録及びOB録を補完することができた。また、東京都立大学(東京都)において、司法部法学校の生徒が作成した文書を発見し、複写した。これまでの調査によって、国内に所蔵されている満洲国において司法官を務めていた者の渡満前、満洲国崩壊後の履歴調査を行ううえでの基礎資料、及び満洲国内の司法官養成機関に関する資料については、ほぼ収集できたのではないかと考える。 しかしコロナ禍のために、前年度までと同様に国外機関(アメリカ、中国、台湾)での調査は全く進まなかった。また、これまで収集した資料をもとに履歴一覧表を作成するための国内出張にも制約が生じていた(本年度においても大学図書館などでは、外者の利用が制限されていたため)。そのため、当初予定していたよりは作業は進められていない。来年度は、コロナの感染状況を見ながら、可能であればこれらの機関への訪問を実現させて調査を行い、研究を進展させたい。 また本年度は、満洲国司法制度(人材養成を含む)の原型がどこにあったのかを考えるようになり、軍司法(占領地司法を含む)の調査を開始した。来年度もこの方面での研究を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、当初の予定通り国外(台湾、中国、アメリカ)での調査ができていないため、当初の予定より研究がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度も前年度に引き続き、満洲国司法官の履歴の調査を行う。また、司法部法学校・新京法政大学の生徒が作成した文書を収集も進めていく。これまでコロナ禍のために調査は国内機関に制限されていたが、本年度は、国外機関での調査も行いたい。 他方で、また昨年度より進めている、満洲国司法制度(人材養成を含む)の原型がどこにあったのかを考えるための、軍司法(占領地司法を含む)の調査を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のために国外諸機関での資料調査を行うことができなかった。本年度は、渡航制限が大幅に緩和されたため、台湾での資料調査を行い、そのために使用する計画である。
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