研究課題/領域番号 |
20K01260
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
岩瀬 真央美 兵庫県立大学, 国際商経学部, 教授 (20360331)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 持続可能な開発目標(SDGs) / 紛争処理制度 / 司法・正義へのアクセス / 投資家と国家との間の紛争解決(ISDS) |
研究実績の概要 |
本研究では、現代の国際社会の課題であるSDGsの達成の観点から、国内法と国際法との垣根を超えた相互横断的な研究を通じて、ベトナムのISDS制度に関する理論および実行を分析して、紛争処理制度の構築の方向性を模索することを目的として、以下の3つの課題を設定している。 課題1:ベトナムにおける「法の支配」の発展過程と「司法・正義へのアクセス」の現状を検証して、その意義を明らかにする。 課題2:ISDS制度の発展・現状を整理・分析し、制度構築のあり方を理論面と実証面から検討して、ベトナムにおける国内法・国際法の形成の試みを明らかにする。 課題3:ベトナム社会・国際社会の現状を踏まえて、「法の支配」による「司法・正義へのアクセス」の実現に向けたISDS制度に関する新たな理論・法制度の可能性と限界を検討し、ベトナムにおける紛争処理制度の構築の方向性を模索する。 当初の研究実施計画では、令和2年度は課題1に取り組み、現地調査(資料収集、インタビュー調査)を予定していた。しかし、令和2年度は全期間を通じて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けたために、ベトナムでの現地調査だけでなく、国内調査についても、実施に大きな制限を受けた。そのため研究実施計画を見直して、インターネットを主体とする文献調査を実施した。国際機関(UNDP)、ベトナム共産党やベトナム政府機関が公開している各種資料・情報を収集して、SDGs、法の支配、「司法・正義へのアクセス」に関して、ベトナム社会における各々の位置付けと意義を分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で述べたように、COVID-19のために、ベトナムでの現地調査を実施することができなかっただけでなく、国内調査についても十分に実施することができなかった。そのため、インターネット上で公開されている各種資料・情報を中心に文献調査を行い、ベトナムにおける「法の支配」や「司法・正義へのアクセス」の現状について研究を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度では、令和2年度で実施できなかった課題1(現地調査に基づいたベトナム社会における「法の支配」・「司法・正義へのアクセス」の現状把握)、および、課題2(ISDS制度をめぐるベトナムの国内法理論・国際法理論の情報収集)の2つの課題に取り組む。令和3年度においてもCOVID-19が研究計画の実施に与える影響は予測不可能であるが、状況を踏まえながら、ベトナムでの現地調査と国内調査を実施して、課題1(現地調査)と課題2(主として現地調査:資料収集、インタビュー調査、意見交換)の両方に取り組む。ベトナムでの現地調査や移動を伴う国内調査が困難な場合には、令和3年度においても令和2年度と同様にインターネットを主体とする文献調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実績の概要で述べたように、COVID-19のために、ベトナムでの現地調査と国内調査を中止している。また、令和2年度中に日越間の国際定期便が停止されたことから、令和3年度中に日越間の往来が再開された場合、国際定期便の航空券代は、研究計画策定時に予定していた金額よりも高騰することが予想された。そのため、令和2年度交付の助成金については、その全額を令和3年度に繰り越して、ベトナムでの現地調査に備えることとした。
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